春夏冬

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4/24/2023, 2:34:46 PM

聞こえし羽搏きこそ 福音である
穢れこそ悪と 断罪の鐘は鳴る

芽吹く命は 与えられし祝福
新緑の如き産声に 喇叭の音が響く

玲瓏たる声は告げる
希うは足掻き それこそ運命
這いながらも生きることが命と

天より降りしきる 階よあれ
地に満ち足りて栄光と為す

人はそこに約束の最果てを見出すだろう
称えよ 讃えよ 其は偉大なる父である

4/23/2023, 10:45:13 AM

夕焼けに隠れた君の顔が
真昼の映画のように思えて

きっとここにいるのは影
光を置き去りにしたように
巻き戻らない秒針に目を伏せる

つくりものめいた月のように
朝露もまた 移ろうのだろう

そうしてまたひとり
君のいた朝を迎えて 惑う
世界の端にふれるように そっと

4/22/2023, 1:49:37 PM

花の咲き乱れる草原 優しい風の吹く日
太陽のような笑顔な眩しくて

曇天の下 硝煙が立ちのぼる
悲鳴が 怒号が 祈りが 逃避があった
嗚呼 世界はこんなにも醜く美しい

炎が揺れて 命は潰え
路地裏に打ち捨てられた 小さな太陽
虚ろな陽は 何れ楽園をみる

指切りを交わした 幼い日の約束
燃えて 灰になって 風にさらわれて

何処かで聞こえる鈍い鉄の音
おわりを知らせる鐘を聴きながら
そっと目を閉じた

4/21/2023, 4:07:30 PM

繰り返し 曖昧な輪郭をなぞって
振り返った先の影法師

泣いているのか 笑っているのか
怒っているのか 悲しんでいるのか

朧げな薄氷にそっと触れるように
埋まらないパズルの欠片を探すように
巡って辿って躓いて 見えないふりをする

脈打つ心臓を描くように
雨音叩く窓の向こうに目を伏せて
水煙にほどけた夢を見る

4/20/2023, 10:46:42 AM

おもちゃ箱に眠る ちいさないのち
いつしか忘れ去られて 気付けばごみになり
お気に入りのあの子だって 遠い記憶の彼方

ほこり積もったおもちゃ箱
さびついたあの子がじっと見ている
古ぼけた記憶の一ページ セピア色の夢を見る

ガラスのくつはひび割れて
王子様は棺の向こうでわらってれ
しあわせの終わりは 土のしたにかくれてる

あまざらしのおもちゃ箱 傘のなかから見下ろして
まばたきひとつ 走り去る
きっと夢は もうみない

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