#良いお年を
2023年はどんな1年になっただろうか────。
改めて振り返ってみると、色々な事が思い浮かぶ。
"あの時、とても嬉しかったこと"
"あの時、とても楽しかったこと"
"あの時、とても悲しかったこと"
"あの時、失敗してしまったこと"
"あの時、とても大変だったこと"
"あの時、とても辛かったこと"
"あの時、とても勇気を出したこと"
"あの時、頑張ったこと"
"あの時、頑張って良かったって思えたこと"
"あの時、幸せだなって思ったこと"
────────────────────────────────
2023年も頑張り、良き1年だったのではないだろうか?
2024年。
今年はどんな事が起きるだろうか。
今年も来年に向け、頑張っていこう。
不幸な事があっても、それを乗り越えると、
必ず幸せがやってくる。
こう信じて日々過ごしていきたいな。
みなさま良いお年をˆ ˆ
#ゆずの香り
今日は、冬至の日────
シャワー浴びを終え、温かなお風呂へゆったりと浸かる。
数分後。
段々と体が温もってきた頃。
そこに今日買ってきたゆずを数個投入。
辺り全体がゆずの香りでいっぱい。
温かいお湯といい香りのするゆず。
これは、最高の組み合わせだと思うんだ。
この日、1年に1度の今日。
あぁ…なんていい日なんだろうか___。
今日も1日お疲れ様。
#飛べない翼
ぐぬぬぬぬ…
はぁ……。
僕は、小さな小鳥。
僕は何故か、飛べないんだ。
僕の兄や妹だって、もう空を飛べている。
そのせいで、
いつも僕だけ、飛べない。
飛べない翼が悪いんだ。と決めつけちゃっている。
だけど、僕は空を飛ぶことが夢なんだ。
だから、こうして飛ぶ努力をしている、、が、
飛べる気がない。
───────────────
そんなある日─────。
"なあ、飛ぶ練習俺が付き合ってやろうか?"
兄がニカッと笑顔で話しかけてくれた。
"え……?"
"最近、飛ぶ練習をしてただろう…?
早くに練習に付き合ってあげたかったが、巣を作る為に材料を集めたり、食料を取ったりとバタついててな…
今更かもしれないが、どうだ……?"
僕は、大好きな兄が教えてくれるとの事で、一瞬戸惑いをみせたが、教えて貰う事にした。
"空に飛ぼうと意識してみて。
そして、翼を大きく広げようとも意識する。"
僕は兄に言われた事をやったが、やはり出来ない。
僕は、出来なくてしょぼけてしまった。
"諦めるんじゃない。これを何度もやってみることが大事なんだよ。"
僕は、そんな兄の言葉が心のどこかに響いたんだ。
"僕、頑張る!"
"おう、頑張れ!!"
僕は、この後も兄と一生懸命練習した。
その次の日も、その次の日も、練習に兄は付き添ってくれた。
そして、数ヶ月後─────。
"よし、今日も飛ぶ練習頑張ろうな!"
やはり大好きな兄の笑顔がとても好き。
これまで、兄のおかげでこんなにも諦めず、ここまでこれた。
兄がいなければ、僕は飛ぶ夢を諦めていたのかもしれない。
"……絶対に飛ぶぞ!"
僕は、兄に今まで教えて貰ったことを元に全集中を込めて空にめがけて飛んだ。
あれ…??なんかふわふわするな……
"おぉ…!!凄いぞ!飛べてるぞ!よく頑張ったな!"
どこからか微かに兄の声が聞こえる。
下…からか……?
僕は戸惑い、恐る恐る下を見ると─────。
僕は空を飛んでいる。
まだそんなに高くを飛べている訳ではないが、僕の夢だった空を飛べている…!!
僕はゆっくりと下に降りてみる。
"よく頑張ったな…!!偉いぞ!"
兄の今日の笑顔は、いつも僕が好きな笑顔だったが、なぜかいつもよりも素敵な笑顔だった気がした。
"いつも練習に付き合ってくれてありがとう……!"
僕は兄に負けないくらい、ニカッと笑顔を見せた。
僕は、
努力や諦めない心ってとても大切な事だったんだと気付いたんだ___。
#紅茶の香り
ぐっすん…うっ……うぅ…
部屋からは、お嬢様の泣き声が微かに廊下まで響く。
コンコンコン────。
お嬢様、入りますよ。
私はそう言って、お嬢様の部屋へと入る。
"お嬢様、どうされましたか?"
泣いてるお嬢様に、尋ねた。
"今朝飲もうとした、お父様から貰った紅茶が無いの。
探していたら、どこからか微かに紅茶の香りがしたの。
その方向に向かうと、妹が私の紅茶を飲んでいたの。
そんな事でグズグズ泣くのは良くないと分かっているわ。
だけど、お父様から貰ったたった一つの紅茶でしたもの。"
お嬢様は、必死に声を振り絞り、そう告げた。
"そうでしたか……。
では、私が作りました、紅茶…如何なさいますか?"
"え?"
お嬢様は、キョトンと目を丸める。
"……??私は最近紅茶を1から作るのにハマっておりまして……案外簡単に見えるかもしれませんが、とても難しいんですよ。"
"……で、では頂こうかしら……"
お嬢様は、どことなく嬉しそうに言う。
"お嬢様、こちらでございます。"
私は、お嬢様にそっと紅茶の入ったマグカップを置いた。
"頂くわ。"
お嬢様は、恐る恐る私が作った紅茶を口にする。
すると────。
"何これ……美味しいわ!"
先程は泣いていた、お嬢様の顔が今ではとても眩しい程輝いていた。
その後、お嬢様は幸せそうに紅茶を口にする。
"私、決めたわ!"
お嬢様は、そう言う。
何をですか……??
"紅茶 ではなく、 幸茶"
そして、この世界では紅茶 ではなく、それを飲む事で幸せになれるという噂が広がり、
幸茶と呼ばれるようになった___。
#花畑
ザッザッザッ。
今日、休日な俺は花畑にやってきた。
ここの花畑はとても綺麗とやらで有名だ。
特にこの花畑で人気なのは、この花を何本か摘み、
持ち帰る事が出来る場所があるのだ。
俺は見る事も目的だが、
1番の目的は先日亡くなった彼女に対する花束のプレゼントだ。
彼女はとても花好きで、休日よく一緒に花屋さんや花畑に行っていた。
そんな花好きの彼女にこの綺麗なお花を摘んでそなえれば、喜んでくれるに違いない。
俺はそう思い、その場所へと向かう。
"あれ、今日は人がやけに少ないな。"
俺はここには1回彼女と来たことがある。
その時は、人が沢山居た。
それに、彼女の好きなお花がもう終了していた。
そして今日またこの場所へと来た。
俺は、彼女のためにお花を摘む。
今摘んでいるお花は、ピンクのロベリアの花。
俺は必死に、花を摘み取る。
すると___。
ちょんちょん。
俺の肩にそっと誰かが触れた。
俺はゆっくりと振り返る。そこには、、
先日亡くなった彼女が俺に笑いかけながら立っていた。
"え……?"
俺は思わず思考が停止してしまう。
……もし、これが夢なら……。
神様が最後に彼女に会うチャンスをくれたのかもしれない。
俺は、先程摘んだ花をどんどん繋げていく。
そして、近くにあった、アイビーも摘み、繋げていく。
"よし、冠が出来た。"
それを俺は彼女の頭へそっとのせる。
すると彼女は飛びっきりの笑顔を俺に向けた後、
"あ" "り" "が" "と" "う"
と口をパクパクとさせていることが分かった。
その後彼女は、少し遠くにある赤い薔薇を3本摘み、
俺の手にそっと渡した。
彼女はニッと笑った。
その彼女の笑顔はとても切なかった。
その瞬間辺りがとても眩しくなり、視界が見えなくなった。
数秒後、視界が段々花畑へと戻っていく。
"あれ……??"
先程目の前にいた彼女の姿はどこにもなかった。
夢かと思うと、俺の手の平に3本の赤い薔薇がある。
あれは夢ではなかった、現実だったんだ。
俺はその瞬間、現実へと戻る。
先程明るかった心が一気に黒くなる。
だがめそめそしてはならぬ。
俺は気持ちを切り替え、胡蝶蘭をそっと何本か摘み、
今までにない程の笑顔で、
その場を後にしたのだ─────。