#飛べない翼
ぐぬぬぬぬ…
はぁ……。
僕は、小さな小鳥。
僕は何故か、飛べないんだ。
僕の兄や妹だって、もう空を飛べている。
そのせいで、
いつも僕だけ、飛べない。
飛べない翼が悪いんだ。と決めつけちゃっている。
だけど、僕は空を飛ぶことが夢なんだ。
だから、こうして飛ぶ努力をしている、、が、
飛べる気がない。
───────────────
そんなある日─────。
"なあ、飛ぶ練習俺が付き合ってやろうか?"
兄がニカッと笑顔で話しかけてくれた。
"え……?"
"最近、飛ぶ練習をしてただろう…?
早くに練習に付き合ってあげたかったが、巣を作る為に材料を集めたり、食料を取ったりとバタついててな…
今更かもしれないが、どうだ……?"
僕は、大好きな兄が教えてくれるとの事で、一瞬戸惑いをみせたが、教えて貰う事にした。
"空に飛ぼうと意識してみて。
そして、翼を大きく広げようとも意識する。"
僕は兄に言われた事をやったが、やはり出来ない。
僕は、出来なくてしょぼけてしまった。
"諦めるんじゃない。これを何度もやってみることが大事なんだよ。"
僕は、そんな兄の言葉が心のどこかに響いたんだ。
"僕、頑張る!"
"おう、頑張れ!!"
僕は、この後も兄と一生懸命練習した。
その次の日も、その次の日も、練習に兄は付き添ってくれた。
そして、数ヶ月後─────。
"よし、今日も飛ぶ練習頑張ろうな!"
やはり大好きな兄の笑顔がとても好き。
これまで、兄のおかげでこんなにも諦めず、ここまでこれた。
兄がいなければ、僕は飛ぶ夢を諦めていたのかもしれない。
"……絶対に飛ぶぞ!"
僕は、兄に今まで教えて貰ったことを元に全集中を込めて空にめがけて飛んだ。
あれ…??なんかふわふわするな……
"おぉ…!!凄いぞ!飛べてるぞ!よく頑張ったな!"
どこからか微かに兄の声が聞こえる。
下…からか……?
僕は戸惑い、恐る恐る下を見ると─────。
僕は空を飛んでいる。
まだそんなに高くを飛べている訳ではないが、僕の夢だった空を飛べている…!!
僕はゆっくりと下に降りてみる。
"よく頑張ったな…!!偉いぞ!"
兄の今日の笑顔は、いつも僕が好きな笑顔だったが、なぜかいつもよりも素敵な笑顔だった気がした。
"いつも練習に付き合ってくれてありがとう……!"
僕は兄に負けないくらい、ニカッと笑顔を見せた。
僕は、
努力や諦めない心ってとても大切な事だったんだと気付いたんだ___。
11/12/2023, 3:19:36 AM