現実逃避したくなるのは、決まっていつも夜だった。
昼、どれだけ機嫌が良くても、どれだけ安定していようとも夜になれば突然消えたくなる。そんな夜を重ねて、また生きたいと思えたそんな心優しい1人の少年の物語。
すいません!また続き後で書きます!また続き書いたら読んでください!
このアカウントでは小説を書いていこうかなと思っています。
ちなみに前アカウントあったんですけど、スマホ自体が壊れてしまったので、新しいアカウントです!
前の名前と同じにはしておきます!Naruだった気がする!たぶん!
あなたの心に残るような小説を残したい。そう思っています。
あなたが、私の拙い文章を呼んでくれたあなたの人生が輝かしいものでありますように。
君が僕の全てだった。
君さえいれば他に何もいらなかった。
君が呼んでくれるその声が好きだった。
『どうか、まだここにいて。』
第一章 君の存在
いつか、自分を理解してくれる人がどこかにいると期待していた。
僕の中の真っ黒で汚いこの感情をまっさらにしてくれる人がいるのではないかと期待していた。
誰も信用できない僕を肯定してくれる人が現れるのではないかとどこかで期待していた。
そうして、知らぬ間に期待していた。何度も、何個も、この救われるべき人間ではない僕を救ってくれる人がいると信じていたかった。信じていないと、何かを失ってしまう気がして、怖かった。
「お前まじで頭おかしいよ?」
「そういうのやめなよ」
「上手く行かないよ。」
否定され続けた人生で、誰かに受け入れてもらえる未来をどこかで待っていた。
この心の奥底に眠る寂しさ、苦しさを、見え透いているように理解してくれる人がいて、その感情を和らげてくれるような人がいるのだと思っていた。
眠れば朝が来る。だから、眠りたくないと叫ぶ。
夢でさえも見たくなかった。今でも、耳裏にこびりついて離れないのだ。泣き叫ぶ母の声。亡骸で帰ってきた兄。
まだ幼かった僕でさえ、簡単に理解することはできた。
あぁ、兄は死んでしまったのだと。そう、理解することはできたのだ。
でも、心を追いつかせることは未だにできていない。
家を出て、ただ無心で学校へと歩く。
「やっほー。」
後ろから声をかけられる。
僕は友達もいないし知り合いもいないため話しかけるわけがない。そう思い無視して歩く。
「おーい、やっほー。」
渋々後ろを振り返るとそこには男の子がいた。
「お、やっとこっち向いた。ところでさー君が思っているより世界は悪いもんじゃないよ?」
初対面で、しかも世界の話なんて。なんなんだこいつ。
でも、少しだけ心につっかかった。世界は悪いもんじゃない――その言葉が脳内を巡っている。
「誰ですか。」
「ん?俺?俺は三上玲央だよ〜」
「知らないんですけど。人違いなんじゃないですか。」
「人違いじゃないよ〜君の名前教えて?」
「はぁ?なんで知らない人に名前教えなきゃいけないんですか。」
「まあまあいいじゃん〜」
やけに馴れ馴れしい。こういう人間が一番嫌いなタイプだ。あぁ鬱陶しい。
「黒山遙です。」
「遙くんか〜いいね〜いい名前だ。」
「あの、さっきから馴れ馴れしいんだけど。」
「あはは〜随分ストレートに物を言う子なんだね」
「で、なんの用なんですか。」
「俺に世界を教えてよ!」
「???????はい?」
「だーかーら!世界を教えてって!俺あんまり知らないんだよね〜世の中のこととか。テレビとか見ないし!」
なんなんだこいつ。そんなことなんでわざわざ僕に聞いてくるんだ?
「そんなこと僕に聞かれても分からないし。他に聞いたほうが早いかと。」
「君がいつもしてることとかでもいいんだよ!あと最近見たニュースとか、記憶に残ってる出来事とか!」
「そんなに世界のことが知りたいんですか。なら自分でいろいろ調べたりしてみればいいじゃないですか。」
「俺は君と一緒に知りたいの!」
「記憶に残ってるニュースありますよ」
「なになに?」
「高校生男子がいじめや虐待などで自殺したニュース。」
「そういうニュース結構いるよね?どれくらい前?」
「確か名前は三山怜みたいな。5年前ぐらい?たぶん。」
「そうなんだ。どんなニュースだったの?」
「んー、自殺したその子が発見されて、警察が死亡理由はなんなのか調べたら自殺だっていうことが判明して、自殺した理由はその子の日記?に書いてあった、毎日のクラスメイトからの酷いいじめと親からの虐待。」
「なるほどね。ふむふむ、つまり世界はそういう残酷な事が起きているってことだね。そのニュース見てどう思った?」
「その子をいじめていた人がクラスメイトの中にいるはずなのに誰も名乗りでず、その子の日記にも名前だけは書かれていなかったらしい。そしてクラスメイトの誰に聞いてもいじめはなかったって。その子の親もどうせ妄想だって決めつけてたらしい。ほんとにクズで最悪だよ。」
「なるほど、、君は自殺についてどう思う?」
「自殺、、は良くないとは思うけど、本当に死にたくて死にたくて仕方ないなら死んでもいいと思う。」
「そっかそっか。君は自殺しようと思ったこととかある?」
あるけれど、あるとは言えない。ので、、ないと答えた。
「嘘だね?顔に嘘って書いてあるよ」
「あるよ。ある。てか人間誰しも1回ぐらい思うもんなんじゃないの?」
「そういうもんなの?」
「悩みのない人間はいないわけだし。悩みのせいで死にたいと思う人もきっといると思う。」
「ふむふむ。君はなんで死にたいと思ったの?」
「世界に絶望したから。神様は何も与えてくれない。僕は兄を奪われた。それから母さんもおかしくなった。家に帰らず、酒に酔って帰ってきて。」
なんだか、この人になら話してもいいのかもしれないと少し、ほんの少しだけ思ってしまった。
この人なら、僕の孤独を埋めてくれるかもしれない、と期待してしまった。
その期待もきっと長くは続かないだろうけど。
「分かった!俺にこの世界の楽しさを教えてよ!流行りの食べ物とか!」
意外と甘い物や流行りには詳しいのですぐにいいよと返した。
そうすると嬉しそうな顔をした。
「君が楽しんでくれるならいいよ!俺は君が楽しんでるところを見てるだけで満足だから!」
変な人だと思った。教えてよとは言うくせに自分はやらないということが。
そして僕たちが向かったのはタピオカ店。
「これなに?!若い子たちがいっぱいいるね!」
「タピオカだよ。知らないの?」
珍しくないか?未だにタピオカを知らない人間なんか赤ちゃんぐらいしかいないと思っていた。最近は精神的に若いおばあちゃんなどもいるため、意外と知っているものだと思っていた。
「タピオカ?へぇ〜美味しそう!」
「飲む?」
「え、いいよいいよ!」
そして僕がタピオカを頼み飲んでいるとじーっと見つめてくる。
「なに?飲みたいなら飲めばいいじゃん。」
「ううん、すごく美味しそうに飲むから。若いっていいね!」
「三上は何歳なの?」
「俺?17だよ〜」
「僕も17だよ。」
「じゃあ同い年だね!」
てっきり年下かと思っていた。子供っぽい性格をしているから。
「遙は明日何するの?」
「明日?普通に学校だけど。」
「学校かぁ、、楽しい?学校」
「楽しくない。友達もいないし知り合いという知り合いもいない。」
「一匹狼なんだ?」
「ただの陰キャだよ。」
「陰キャ?」
「うん、陰キャ。」
もしかして陰キャも知らないのか?
そうすると少し困ったように笑った。
「陰キャかぁ、、なるほど、、」
「ほら、あんま目立たない人みたいな。」
「遙は陰キャなの?」
さっきからそう言ってるじゃん、と返す。
「休み時間とか何してるの?」
「ん〜屋上にいるかな。」
「屋上?なんで?」
死にたいから、なんて言えないと思った。だから、空を見るから。と答えた。
「遙はさ、どうしようもない孤独を感じたりすることある?」
そう聞かれて、ドキッとした。最近、孤独を感じることが多いと思っていたから。なんで?と聞き返す。
「なんとなく、寂しそうな顔してるから。」
僕はそこで思ったのだ。この人は、僕と同じような人間なのかもしれない、と。
この人なら、僕の中の真っ黒で汚いこの感情も分かってくれるのかもしれない、と。
だから、正直に答えた。
「人といても孤独を感じることが増えたように思えるんだ。なにかが足りない、みたいな。」
「心に穴があいてるような感覚?抜け落ちて戻ってこない、、みたいな。」
まさにそれなのだ。少し恐ろしいとまで思うほど僕の心を言語化してくるのだ。この人間は何か違うと僕は思った。
生きているけれど、生きた心地がしない、そんなような感覚。苦しい、辛い。そういう暗い感情が昔より、いや、兄が死んでから増えたような気がする。ボーッとする時間も増えた。
「心が死んだ、みたいな?」
共感しすぎて思わずそう!と叫んでしまった。
「どこかで、誰かに期待してたんでしょ?誰か、誰かって。いつか自分を救ってくれる人間が現れるって、現れるかも分からないその人に期待してたんだよね?」
「うん。期待してるんだ。どこかに現れないかな、誰か救ってくれないかなって。」
「俺がその存在になってあげるよ。」
そう、言われたら少し驚いてしまうけれど、救ってほしいことには変わりない。だから素直にお願いしたのだ。
そうすると三上はまた少し笑った。
「自分は他人と違うって、そう思いたいんだよね?良い意味でだよ。」
「そうなんだよ。誰かにそうやって言ってほしかった。つまらない奴とは違うって。」
「俺が何度でも言うよ。遙は他の人とは違う。だってこんな俺とも話してくれてる。」
三上の“こんな”俺という言葉に少しモヤモヤした。三上と会ってから彼が今まで否定的なことを言ったことはなかった。
そんな三上から、自分を卑下するような言葉が出てきたことにモヤモヤと、同じ人間なんだ、という少しの嬉しさが混ざって、複雑な気持ちになった。
そんな僕に気づいたのか慌てたように三上は笑った。
「あんまり深いこと考えなくていいよ。遙はきっと優しすぎるんだ。もっと自分勝手になっていい。もっと自己中心的な考え方を持ったっていいんだよ。」
「他人を気にしちゃう、とか?」
「そうそう。周りから、やめなよとかそれおかしいよとか言われることってあると思うんだけど、俺は思うんだ。したいことがあったらすればいいんじゃない?って。君が本当にしたいことなら、すればいいと思う。」
「僕もそれ思う。思うんだけど、どうしても自分がそう言われると、諦めちゃうんだよね。」
「周りの許可なんて必要ないし、周りの同意なんて必要ないんだよって俺は伝えたい。遙は十分いい考えを持ってるし、そこを否定するのはダメだよ。遙の考えは間違ってないし、遙自身も間違ってない。」
僕は気づいたら泣いていた。
僕はもしかしたら、この言葉を待っていたのかもしれない。
“間違ってない”この1言を貰いたかったのかもしれない。この人は誰よりも優しいと思った。それと同時に、きっと世界のいろんな汚いところを見てきたのだろうと思った。
そして、その汚いところと向き合い、自分の心も他人の心も大切にしながら、言語化する力を持っているのだと、思った。そういうところが、僕にとっては心地よかった。僕の心のモヤモヤが、1つずつほどけていくような感覚になった。
この人なら本当に救ってくれると、僕は確信を持った。
「遙は人よりも人に敏感で、人よりも人の気持ちに敏感で。だけど自分の心には鈍感なんだよ。だからこそ、俺には遙が誰よりも光って見えるよ。」
僕の中の黒い感情が、少し、ほんの少しだけれど、小さくなったような気がした。
「三上、ありがとう。」
気づいたら、そう口にしていた。三上は照れたように笑った。
「遙が救われるなら、俺はなんだってする。なんだって差し出すから。生きてほしい。」
生きてほしい、なんて言葉僕は嫌いだった。なのに、三上に言われるとちっとも嫌とは思わなかった。
なぜなら彼の言葉には、自分の罪悪感など全く考えず、純粋に僕に生きていてほしいと願っていることが伝わってきたからだ。この人は本当にどこまでも真っ直ぐで、こういう人がヒーローだと言われるんじゃないかと思った。
「三上は、ヒーローみたいだね。」
そう言うとびっくりしたような表情になった。
「ヒーロー?どうして?」
「いろんな言葉をくれて、僕を救ってくれるから。」
「救えてるなら、良かったよ。」
同じ年齢の子供だとは思えないほど、大人っぽく感じられるのは、こういう考え方ができるところなのだろうと思った。
「あ、もうこんな時間だ。俺もう帰るね。また明日、遙。」
「あ、うん、またね。」
突然の別れに少し驚いたが時刻はすでに20時を回っていた。
家に帰ると、部屋が散らかっていた。母さん、帰ってたんだ。
「ただいま。」
少し大きな声で言うと声が返ってくる。
「おかえり、、ふぁー、、、私もう寝るわよ。」
「おやすみ、母さん。」
そして母さんは自分の部屋へと戻っていった。
お風呂に入り、寝る支度をして、寝床についた。
また明日も三上に会えますように、と願いを込めて。
第二章 希望の光
次の日、朝起きると既に母は仕事に行ったようだった。
三上と出会って、三上のいない時間はなんだか少し時間が遅いように感じられる。
そういえば、三上がどこの高校に行っているか、僕は知らなかった。また会えたらその時に聞こう。
写真立ての中にある穏やかな笑顔をした兄に行ってきます、と声をかけて家を出た。
三上がいないとなんだか少し寒く感じられる。
そこでふと気づいた。僕、三上のこと考えすぎじゃない?と自分でツッコミを入れる。
そしてふと感じた。三上と出会う前の僕とは確実に何かが違う、と。
いつもより早く学校に着くと、またいつもの学校とは違う雰囲気に感じられた。静けさがあり、落ち着く。
それからどんどんクラスメイトが入ってきて、また教室が騒がしくなっていく。
そういえば、三上は同じ高校ではなかったか、と思い教室を見渡してみる。
その時に気づいた。僕、クラスメイトの顔ちゃんと見たことなかったんだと。そうか、いつも下を向いていたから顔を見たことがなかったんだ。
そう思うと、三上のおかげでだんだん自分は変われてきているのだと思い始めた。
教室を見渡しても三上はいなかった。
他の教室を見てみても三上はいなかった。
同じ高校ではなかったのだと思った。
僕は三上と連絡先を交換していなかったため、三上と会うにはどうしたらいいか1日考えた。
昼休みになり、教室で弁当を食べている時、ふと思い出した。
そういえば、三上と休み時間は屋上にいるって話をした、と。
いや、そんなわけない、と思ったけれど希望を捨てきれず屋上に向かった。
そうすると、三上はいた。
「あ、遙だ。やっほ~。」
いつもと変わらない三上の笑顔。気づけば僕は三上にふっと笑顔を返していた。
「遙が笑ったところ、初めて見た。」
僕の笑顔を見た三上は本当に嬉しそうに笑った。
この世界にこんな風に僕がプラスな感情を持つことに自分のことのように幸せだと思ってくれる人がいるなんて、きっと前の僕だったら思わなかっただろう。
そして、僕も思うのだ。三上が笑ってくれることが僕にとっての幸せなのかもしれない、と。
「あ、そうだ、三上。連絡先交換しない?」
「連絡先?あぁ、、ごめん。俺スマホ持ってないんだよね。」
今の時代スマホを持っていないなんて本当に珍しいことだと思ったけれど、こうして三上と会えるならなんでもいいのかもしれないと思った。
「そうなんだ。親厳しいの?」
「まあね。」
「あ、そうだ。三上何組?」
「俺?5組だよ」
「僕3組。」
「そうなんだ!」
僕が教室を見た時は三上はいなかった。なんでだろうと不思議に思った。
「さっきの休み時間、クラス回ったんだけど三上いなかったよね?どこにいたの?」
「そうなの?俺トイレ行ってたよ。」
「だからいなかったのか。」
「あ、今日は放課後どんな楽しいことするの?」
「ん〜クレープ食べるかな、、」
「クレープって流行ってるの?」
「流行ってると思うよ。みんな結構食べてるし。」
「そうなんだ!遙は食べたことある?クレープ」
「あるよ。三上は?」
「俺?食べたことあるけどそんなにいっぱい食べる機会があるわけじゃないかな」
すいません!また続き後で書きます!また続き書いたら読んでくださいぃ!
このアカウントでは小説を書いていこうかなと思っています。
ちなみに前アカウントあったんですけど、スマホ自体が壊れてしまったので、新しいアカウントです!
前の名前と同じにはしておきます!Naruだった気がする!たぶん!
あなたの心に残るような小説を残したい。そう思っています。
あなたが、私の拙い文章を呼んでくれたあなたの人生が輝かしいものでありますように。
君は教えてくれた。
知らないだけできっと灯火はそこにあると。
いつも灯火に囲まれて生きているということを。
『トワイライトの中で』
第一章 暗闇の中の孤独
おはよう、行ってきます、ただいま、おかえりと呼びかける声はない。
寂しいような、どうでもいいような。
「おはよう。」
誰もいない家に、自分の声だけが虚しく響く。返してくれる者はいない。
本当に、いないのだと。本当に、もう帰ってこないと。分かっていてもその影を探す。
「行ってきます。」
もう亡き兄と、もう亡き母にそう言い家を出た。
薄明時に外に出て、ランニングをするのが毎日の日課となっている。
この時間帯の空気は澄んでいて、人が少ないため、静けさがあり落ち着く。
物心ついた頃から、空を見る事が自然と身について、暇があれば何時間でも見ていられる。
人の価値観や、人の考えは分からないけれど、きっと世の中が言う“普通”ではないのだろう。
そんな事を考えながらランニングをしている。
日の出を見ることも珍しくなく、それでもやはりいつ見ても綺麗だというのは自然の良さだろうと思う。
この時間だけが唯一心が落ち着いていて、情緒が安定しているように思う。
「はっ、、はぁ、、」
そう吐く息は白く、冬を感じる。息を吸うと喉を通る冷たい空気。なにより朝は冷えていて、人も少ないのできっと寒いのだろう。
僕は人がいる所のほうが寒く感じる。
そういうところがきっと“普通”ではないのだろう。
「もう、6時か、、」
一度家に帰って朝食を食べ学校へ向かう。
「行ってきます。」
もう一度兄と母に声をかけ家を出る。
学校に着くと、いつも通りの日常がそこにはあった。
「おはよう!昨日のドラマやばかったよねぇ!」
趣味や遊びの約束など、人によって話すことは違うだろうが、僕は遊ぶような人もいなければ喋る人もいない。
人間はきっとそういう人間を好まないのだと思う。そりゃあそうだろう。
みんながわいわい騒いでいる中、一人だけ黙って窓の外を眺める変な奴のことなんて誰もわざわざ好んだりすることはないだろう。
教師が教室に入ってくると、教室が静まり返る。
「今日は転校生を紹介する。入れ。」
また教室がざわめく。
入ってきたのは、儚い笑顔する男の子だった。
「汐川斗希です。よろしくね。」
教室に拍手をする音が響き渡る。さすがにしないわけにもいかないと思い、同じように拍手をした。
「汐川は、、夜川の隣の席でいいか?」
「どこでも大丈夫です。」
そう柔らかな笑みを浮かべた彼は僕の隣の席に座った。
「よろしくね。夜川くん。」
「あぁ、、よろしく」
なるべく関わりたくないのであえて素っ気なく返事をする。それにも関わらず笑顔で話しかけてくる。
「夜川くんは何が好きなの?」
「夜川くんは趣味とかある?」
「夜川くんは毎日必ずやってることとかある?」
面倒だが適当に全て返すと全て丁寧に返事をしてくる。
その純粋な眼差しから僕は視線を外してしまう。
見透かされているようで、怖いのだ。いや、心の中を見られているようで居た堪れない気持ちになる。
そのまっすぐな瞳で見つめるなと叫びたくなるほど、その目は濁りがなかった。
初めてこんなに綺麗な人間を見たと思った。
それと同時にこのまっすぐな瞳には何が映っているのか気になったのだ。
踏み込みたいと思ったのはこれが初めてかもしれない。だけど、踏み込んだ時、踏み込まれることもあることを僕は知っている。それでも、やっぱりその瞳には何が映るのか気になった。この世界の残酷さや汚れに全く触れてきていないのかと思ってしまうほど綺麗だった。
吸い込まれるようなその瞳に惹かれた。誰かに惹かれるなんてことは僕の人生初めてのことだった。
どうやら彼はコミュニケーション能力も高いようで、次の日にはもう彼の周りには人が沢山いた。
「汐川ー次の体育バスケなんだけど一緒にペア組まない?」
「僕は夜川くんと組むから、ごめんね。」
僕は目立ちたくないのでいつもペアを組むときはあまり目立たない子か、余ったときは先生とペアを組む。
それだというのに彼は僕と組むと言ったのだ。その時にふと出てきたのはなぜ?という疑問。
彼がこちらへ歩いてくるのを見て、逃げるように教室から出る。そうすると夜川くん!と呼び止められる。
やばい、周りの視線を感じる。無視したらさらに目立つ。だから返事をした。極力素っ気ない返事で返すように努めて。
「なに?」
「次の体育、ペア組まない?」
「僕ペアもう決まってるから」
咄嗟に嘘をついてしまった。目立ちたくないのだ。転校してきて1日でペアを組む相手ができるほどの人間と組んだら目立つのは目に見えている。そうすると、また儚げな笑顔を浮かべた。
「分かった。無理に誘ってごめんね。また機会があったら一緒に何かしたいな。」
僕はその瞳から逃げるように彼に背を向け体育館に向かった。
案の定ペアなんていなかった。いつも組んでいる大人しい子もどうやら共通の趣味がある子と仲良くなり、すでにペアを組んでいるようだった。
しょうがない、先生とペアになるしかない、、
そう思っていると突然声をかけられた。
「夜川くん、もしかしてペアいなかった?実は僕もペアいないんだよね。みんなもう組んじゃってるみたいで。一緒に組もう?」
ここまで来たらもう組むしかない。また素っ気なくいいよと答えた。
そうすると心から嬉しいというような表情をした。
「本当?嬉しいな。」
「別に、ペアいなかっただけだし。」
あえて冷たく言うと少し悲しそうな顔をした。咄嗟に言葉が出た。
「ごめん、そういう意味じゃなくて。組む人いないなら、僕とでもいいかと思っただけ。ほら、汐川って結構友達も多いみたいだし、僕あんま目立つタイプじゃないからさ。僕とじゃないほうがいいんじゃないかって思っただけ。」
「え、君は、、僕にとって、、―――、だから。」
何か言っていたけどあまり聞き取れなかったので聞き返した。そうすると柔らかな笑顔を見せた。
「ううん、なんでもないよ。」
気になるけれど、彼の笑顔がいつもとは違う雰囲気を纏っていることに気がついて聞き返すのはやめた。
体育が終わり、すぐ教室に戻ろうとするとまた呼び止められた。
「夜川くん、ペア組んでくれてありがとう。夜川くんってバスケ得意なんだね、上手でびっくりしちゃった。」
「別に、そんなことないと思うけど。」
「僕は全然運動できないから羨ましいよ。」
羨ましいとか言うけれど、普通に上手かったなんて口が裂けても言えない。羨ましいと言われたことに疑問を抱きながら、周りからの視線を感じすぐに離れ教室に戻った。
教室に戻ると彼がまた話しかけてきた。
「夜川くんって下の名前なに?」
「透空」
「漢字どう書くの?」
「透き通る空で透空。」
「綺麗な名前だね。僕の下の名前知ってる?」
「斗希だろ?」
「覚えててくれたんだ、嬉しいな。これからさ、お互い下の名前で呼び合わない?僕も透空って呼ぶからさ、透空も斗希って呼んで?」
「斗希」
名前を呼ぶとまた嬉しそうに笑った。名前を褒められたことなんて初めてのことだったし、斗希も十分綺麗な名前だと思う。まあ、名前綺麗だね、なんて褒めたりはしないけど。
放課後、すぐに帰ろうと、帰る用意をしている時名前を呼ばれた。
「透空、一緒に帰ろうよ」
こうなることが分かってたから避けてきたのに。こうやって踏み込まれるのが嫌だから遠ざけてきたのに。ただただ苛ついた。こんなに人を避けて生きてきたのに。なんで彼は僕と関わろうとする?他の人みたいに何も言わない暗いやつだと笑ったり無視したり気にしないで生きてくれる方がよっぽど良かった。
それなのになんで彼は僕と帰ったりペアを組んだりしようとするんだ?僕は不思議だ。
それを言うことは勇気がいることだと思っていた。だけど、いとも簡単に言葉にすることはできた。
「なんで僕と関わろうとするの?」と。
そうすると彼は寂しそうに笑った。
「君が僕を救ってくれたように、今度は僕が君を救いたいんだ。」
言葉の意味が分からず、ただ混乱する僕に説明もせず付け足した。
「君が分かっていなくても、僕が君に伝えるときがきっと来る。だから、今は何も言わずに傍にいてほしい。透空は他の人たちが思っているような人間じゃない。暗くて、思いやりがない人間だって思い込んでるでしょ?」
言い当てられて、僕は確信した。きっとこのまっすぐな瞳に嘘はつけない。全て見透かされていると錯覚するほど、彼が言うことは当たっていた。そう、僕は自分のことを明るいと思ったことはない。自分の都合で人を遠ざけて生きているような人間のどこに思いやりがあるというんだ、と。そして僕は思いやりがない人間をやめようともしない。そんな自分が嫌なのだ。きっと彼には、このまっすぐな瞳には嘘はつけない。だから、正直に答えた。
「君は僕の何を知ってるんだ。僕は君が思っているような人間じゃない。君が思うほど優しい人間でもない。それなのになんで僕に話しかけたり関わろうとするんだ。」
「果てしのない孤独を感じているんでしょ?」
まただ。どうしてこうも簡単に僕の心を言語化するんだ?何もかも全てこの瞳には分かるのか?
そんな疑問が彼にも伝わったんだろう。
「君は分からなくていいんだ。でも、これだけは覚えておいて。君は君が思っている以上に価値があって、君が思っている以上に大切な存在だって。」
一番難しいことを要求してくるなと言いそうになり、慌てて口を噤む。そんなことできるわけないだろ、という言葉を飲み込んだ。
「分かった。」
すいません!また続き後で書きます!
このアカウントでは小説を書いていこうかなと思っています。
ちなみに前アカウントあったんですけど、スマホ自体が壊れてしまったので、新しいアカウントです!
前の名前と同じにはしておきます!Naruだった気がする!たぶん!
あなたの心に残るような小説を残したい。そう思っています。
あなたが、私の拙い文章を呼んでくれたあなたの人生が輝かしいものでありますように。
彼はいつもまたねを言わなかった。
そんないつも聞く「ばいばい」に深い意味なんてないと思ってた、
あんなに深くて、強い闇を抱えているなんて、思いもしなかった。
だって、いつもニコニコ笑いながら言ってくれるから。
すいません!また続き後で書きます!
このアカウントでは小説を書いていこうかなと思っています。
ちなみに前アカウントあったんですけど、スマホ自体が壊れてしまったので、新しいアカウントです!
前の名前と同じにはしておきます!Naruだった気がする!たぶん!
あなたの心に残るような小説を残したい。そう思っています。
あなたが、私の拙い文章を呼んでくれたあなたの人生が輝かしいものでありますように。
きっと強い人間も弱い部分はある。
そんなところも認めてあげよう。
君が自分を認めてあげられないなら私が認めてあげよう。
君が言えないのなら私が言ってあげよう。
君が明日を願うのを諦めるのなら私が君の明日を願ってあげよう。
君の全てが輝いているってこと。
『多くを与えてくれたあなたへ。』
第一章 始まりの音
「いっせーの!」
そうして一緒に吹いたシャボン玉。
沢山のシャボン玉が宙に舞う。私たちの音はここから始まった。
あんな日が訪れるなんて思ってもみなかった。
私たちが小学生だった夏。
君はこう言った
「僕さ、引っ越すんだ。」
驚きを隠せなかった。ずっと一緒にいられると思ってた。唯一の親友。
「引っ越すって、、、、どうして急に、、?」
「親の転勤で、、」
すいません!また続き後で書きます!
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ちなみに前アカウントあったんですけど、スマホ自体が壊れてしまったので、新しいアカウントです!
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あなたの心に残るような小説を残したい。そう思っています。
あなたが、私の拙い文章を呼んでくれたあなたの人生が輝かしいものでありますように。