ひともどき

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4/11/2024, 8:37:39 AM

いつからが春だろうか。

3月から5月を指すのだろうか。
そうかもしれないが、何かが違う。
寒い3月は冬だし、暑くじめつく5月は最早梅雨だ。

寒くもなく、暑くもない時期だろうか。
そうすると、最近春は大変短くなってしまったと思う。
四季というほどだから、もう少し等分していてほしい。

桜が咲いている時期のことだろうか。
そうかもしれない。
しかし、この狭い日本列島の中でも時期が違いすぎる。
故郷は新学期に少し馴染んだ頃に咲いていたはずなのに、
この東京という街では4月も上旬に咲くらしい。


春だと思った時が春なのだろうか。
卒業や入学が終わっても、桜が散ってしまっても、
暑かろうが寒かろうが、あなたが春だと思った時が、
春なのでしょうか。

きっとそうだ。
出会いと別れを繰り返す人生の季節は、
いつだって春なのだ。
まだ青臭く行こう。

お題「春爛漫」

3/9/2024, 1:43:41 AM

金は価値を共通化するものだ。
ヒトによって欲しい物は異なるし、購入とは、
その製品にその金額の価値があると認めることだ。
従って、金自体に本来価値はない。

金程度しか大事にできないのなら、
自分を恥じるべきだ。

お題「お金より大事なもの」

3/4/2024, 11:08:48 AM

大好きな君のためを思って、
君の望みを聞くよ。

大好きな君が離れてほしいと云うから、
君から離れていることに決めたんだ。

大好きな君へ、僕の最後の願いだ。
どうか笑顔で居続けてくれ。

こうして僕は
ただの一匹のおひとよしになった。

お題「大好きな君に」

2/28/2024, 10:46:40 AM

昔住んでいた町に足を運んだことがある。

あの頃から大分変わってしまって見えた。
時代相応に発展しているという良い面もあれば、
あの頃の情景はもうどこにもないのだという寂寥も
同時に胸の中を渦巻いていた。

そして、一番変わってしまったのは私自身だと気付いた。
その時ばかりは、時間がとても残酷に思えた。


無慈悲な時を私達は生きている。
私達の生活が時間に区切られているのではなく、
時間という巨大な龍の鱗の上で、
私達あくせく動いているだけと思えるほど、
時間そのものは全く揺るいでくれない。

その中でヒトが喜んだり憂いたりするから、
ひとつひとつの鱗が玉虫色の光彩を放って、
美しく見えるのかもしれない。


お題「遠くの街へ」


私からは遠くの、石川県に思いを馳せて。

2/26/2024, 11:51:22 AM

一期一会とはよく言うが、
私の言葉にすると、出会いとは衝突だと思う。

出会いたくもない奴ほど何度も勝手にぶつかってくるし、
一度しかなかった縁を、もう一度、もう一度と
手繰り寄せる様は、まるで実験の再現性を確かめる
物理学の検証のようだ。

この世の中、ひとは簡単にいなくなる。
だからこそ、意図の如何に関わらず、衝突していくことと
その一つ一つを大切にすることに意味がある。


翻って、別れや音信不通などの衝突しなくなった状態は、
私の中では死に等しい。

例えば、墓の中のひとは、帰省したり、
墓の前に立って初めて存在を思い出す。
写真の中の笑顔だけで、声や性格は思い出せない。

これは、昔住んでいた町の住民等も同じではなかろうか。
顔を見れば思い出せれど、あなたがその町で
思い出して探さなければ出会えはしない。
声も性格も、何も、ひとりでに思い出すことはない。


私が嫌なら、どうぞ離れてお行きなさい。
連絡を寄越さないうちは、君を僕の鬼籍に入れておく。


お題「君は今」

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