ひともどき

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一期一会とはよく言うが、
私の言葉にすると、出会いとは衝突だと思う。

出会いたくもない奴ほど何度も勝手にぶつかってくるし、
一度しかなかった縁を、もう一度、もう一度と
手繰り寄せる様は、まるで実験の再現性を確かめる
物理学の検証のようだ。

この世の中、ひとは簡単にいなくなる。
だからこそ、意図の如何に関わらず、衝突していくことと
その一つ一つを大切にすることに意味がある。


翻って、別れや音信不通などの衝突しなくなった状態は、
私の中では死に等しい。

例えば、墓の中のひとは、帰省したり、
墓の前に立って初めて存在を思い出す。
写真の中の笑顔だけで、声や性格は思い出せない。

これは、昔住んでいた町の住民等も同じではなかろうか。
顔を見れば思い出せれど、あなたがその町で
思い出して探さなければ出会えはしない。
声も性格も、何も、ひとりでに思い出すことはない。


私が嫌なら、どうぞ離れてお行きなさい。
連絡を寄越さないうちは、君を僕の鬼籍に入れておく。


お題「君は今」

2/26/2024, 11:51:22 AM