ひともどき

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11/22/2023, 10:24:58 AM

ひとりでは生きられなかった軟弱者たちと見るか、
ひとりでは辿り着けない地まで往く者たちと見るか。

ひとりである限り、つがいは羨ましく見えるのでしょう。
ひとである限り、互助が必要ということでしょう。

一匹のひともどきはどうすべきだ?

お題「夫婦」

11/21/2023, 11:48:59 AM

「愚者は他者に助けを乞う、
 賢者は自らに問いかける、
 神のみが答えを知る。」
彼が突然語り始めた。

「さて、賢者は答えを知りたいわけだが、
 ヒトである以上、答えを得ることはできない。」

「神に成れないことを知った賢者は、
 愚者にしか成り得ないのだろうか?」

こんな輩が私の頭の中に住んでいる。
当然、生きにくい。


お題「どうすればいいの?」

11/20/2023, 11:12:19 AM

IoTの世界などと言われて久しい、
僕らはモノに囲まれて生きている。

最新のとても便利になる高価なモノもあれば、
ゴミのように見える思い出の詰まったモノもある。

ひとつずつ大事に使うヒトもいれば、
断捨離と称してひとまとめに捨てるヒトもいる。


それでも捨てられないモノ、
それを執着と呼ぶ。

いつか、その執着ごと捨てなければならない。

お題「宝物」

11/14/2023, 6:21:46 AM

挨拶の語源はなかなか面白い。

おはようございます お早うございます
相手の朝の早さを称えている。

こんにちは 今日は
天気などを聞く言葉がそのまま挨拶になったのだろう。
今晩は、もきっと同じ感じだ。

言葉が変われど、意味は変わらない。
Good morning, Guten Tag
Bonne soirée, Добрый вечер…


一つだけ異なるものがある。

さようなら 左様なら
訳しにくいが、(あなたが)そうするならば、
という意味になるだろう。

外国語では再会を願う言葉が多いが、
日本語の儚さが強調される。


あなたとわたしは分かり合えない。
さようなら。
どこかで相見えるまで。

お題「また会いましょう」

11/10/2023, 10:27:16 AM

都会のコンクリートジャングルに身をうずめ
ヒトと文明に包まれていると、
どうしても自然を忘れがちだ。

都会の自然は造られたものだ。
どれだけ大きくて古い公園だとしても、
「あえて手つかずで残して遣っている」という
ニンゲンのエゴが見え隠れして、
自然そのものに触れた気にもなれはしない。


今日は手つかずの自然の話をしよう。



小学生高学年の頃の話だ。
近場のスキー場ではオフシーズンのゲレンデで、
毎年コスモスを育てて、見頃になると祭りを開いた。
田舎なので、近場と言っても車で一時間かかる。


例年の如く祭りの会場で友達と出会い、
何を思ったか、ゲレンデの頂上まで行くことになった。

100mもないなだらかなコースにコスモスが咲いていたが、
その先の急勾配な上級者コースには何もなかった。
正確には、草が生い茂っていた。


軽い気持ちで上級者コースまで来たところ、
1mを超える雑草が立ちふさがった。
もはや冒険である。戻ろうとは誰も言わない。
ザクザクと草をかき分けて進むうちに、
満開のコスモスも、麓の祭りの会場も見えなくなった。

山の日暮れは早い、まして自分の背を隠すほどの草の中。
想像よりも暗くなった坂の途中で、
少しだけ母を思い浮かべた。絶対に心配している。
心細さと一握りの思いやりには気付かず、
友達は先へと進む。私も続く。



頂上につく頃には草の壁はなくなり、同じくらい高い
ススキが生えつつも、開けた場所があった。
振り向くと、市内も海も見渡せる絶景であった。
いたずらっぽく、麓に向かって手を振ったものだ。


汗もからりと乾く秋の思い出であった。
無論、下り終えて散々叱られたことも付け加えておく。

お題「ススキ」

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