意味は、ひとそれぞれが見出すことだ。
私にとって意味があっても、
君にとって意味がないこともある。
この文に意味はない。
にんげんのなり損ないが片手間で書いた世迷言だ。
誰かが面白がって見るかもしれないが、
一分後に忘れられるだろう。
生命に意味はない。
親から生まれ落ちてきただけで、
強いて言うなら死ぬまで生きる程度の意味しかない。
諦めて死ぬのも自由、だらだらと生き続けるのも自由。
意味がないのになんで生きてるのかって?
意味を見つけるために生きてやってるんだ。
見つからなかったら君と同じように死んでやるよ。
お題「意味がないこと」
同じ時代。
同じ種族。
同じ言葉。
それでも、こんなに違う。
でも今、同じ気持ちを共有できた。
お題「あなたとわたし」
雨に感情はない。
無常にもひとびとの体を叩き、熱を奪っていくだけで、
その実、気化した水分が空に耐えきれず、
地へ落ちてくる自然現象に過ぎない。
それでも、ひとは雨に意志を求める。
映画の世界では、主役の心情に合わせて雨が降るし、
エンディングにはこれ見よがしに止んで、虹までかける。
それに則って、俺もわがままを言うなら、
野垂れ死ぬ時は、雨くらいは俺を哀れんでいてほしい。
お題「柔らかい雨」
蒼のメロディーを 子守唄に
(Pale repetition/アウル・ニーダ)
ある日、友は云った。
正義の対義語は悪ではない、もう一つの正義だ、と。
彼は歴史の造詣が深いので、さぞ高名な哲学家の格言かと
期待したが、どうやらゲームかアニメが出典らしい。
出典がどうであれ、この言葉は正しそうだ。
歴史は勝者によって清く書かれ、
敗者は否応なく悪として描かれる。
敗者も馬鹿ではなかっただろうから、
彼らなりにも信条があったのだと思う。
私がいつも辛気臭い顔をしているのは、
いつも悪の方を考えているからだ。
ひとに迎合するような性格でもなし、
意見は頑なで曲げられもしない。
どう考えても、正義にだけはなり得ない。
こうやって、チラシの裏で憂さ晴らしする程度の日々さ。
お題「哀愁をそそる」
君が僕に感じる恐ろしさは
僕が君に感じる恐ろしさ。
他のひとにもそうやって怖がらせてるのを
もう少し自覚した方が良い。
僕が他のひとと違うのは
君の優しさ、思慮深さを知っているところ。
君の頭はよく回るし、気を遣うのも得意だ。
だからもう少し、無愛想な顔をやめたら、
ひとは近付いてきてくれると思うよ?
鏡の向こうの私が云った。
本物の俺は、私か、僕か。
お題「鏡の中の自分」