ひともどき

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雨に感情はない。
無常にもひとびとの体を叩き、熱を奪っていくだけで、
その実、気化した水分が空に耐えきれず、
地へ落ちてくる自然現象に過ぎない。

それでも、ひとは雨に意志を求める。
映画の世界では、主役の心情に合わせて雨が降るし、
エンディングにはこれ見よがしに止んで、虹までかける。


それに則って、俺もわがままを言うなら、
野垂れ死ぬ時は、雨くらいは俺を哀れんでいてほしい。


お題「柔らかい雨」



蒼のメロディーを 子守唄に
(Pale repetition/アウル・ニーダ)

11/6/2023, 11:20:37 AM