自分自身に質問して、問い続けてください。
あなたは何をしたいの、何が得意で、何が楽しいの、と。
その営みの中からしか、貴女の答えは立ち上がってこないのです。
俺との約束を守ることなく、貴女は亡くなってしまいました。
けれど俺に、それを恨む気持ちはなかったように思います。
貴女が待っていてくれると言ってくださったこと、それだけで俺には過ぎた幸運、幸福であったと、自分でも分かっていたのです。
貴女の後を追って死んだのは、只俺が弱かったからです。
貴女のいない世界に価値を見出すことができず、貴女という支え無しに生きていける気もせず、その弱さに流されるまま、俺は死にました。
ですから、俺について申し訳なく思ったりはなさらないでくださいね。
約束が何だと言うのだ。
お前が死んだから、何だと言うのだ。
優しい貴女には、そういう心持ちでいてほしいくらいなのですよ。
ひらりひらりと舞う蝶のように、自由に、優雅に、楽しげに。
どこまでも貴女の好きなように、この世界を飛び回ってくださいね。
今世の貴女の前に俺が始めて姿を現した時、貴方は誰ですか、とは、俺に聞きませんでしたね。
只、私を愛して求めてくれるこんな素敵な方がいるなんて、何て嬉しいことでしょう、と、大輪の花が咲くようにぱっと笑われました。
俺が何者であろうと、貴女は同じように喜んだでしょう。
けれど、それが俺だったからからこそ、貴女は不安を感じずに受け入れてくれたのではないか。俺という存在に、価値を感じてああ言ってくださったのではないだろうか。
そんな風な夢想も、たまにしてしまうのです。
芽吹きのときです。
春が来ようとしています。
春が嫌いだった貴女は、変わり始めています。
この生命が目覚める季節を、心地よいと思うようになりました。
貴女の人生はいつだって、幸福と喜びに満ちたものにできます。
貴女がそれを、全力で拒否しない限り。
ですから、望んでください。
楽しんでください。
全てを享受してください。