今世の貴女の前に俺が始めて姿を現した時、貴方は誰ですか、とは、俺に聞きませんでしたね。
只、私を愛して求めてくれるこんな素敵な方がいるなんて、何て嬉しいことでしょう、と、大輪の花が咲くようにぱっと笑われました。
俺が何者であろうと、貴女は同じように喜んだでしょう。
けれど、それが俺だったからからこそ、貴女は不安を感じずに受け入れてくれたのではないか。俺という存在に、価値を感じてああ言ってくださったのではないだろうか。
そんな風な夢想も、たまにしてしまうのです。
3/2/2025, 2:36:03 PM