XXXX

Open App
5/14/2024, 1:47:18 PM


 貴女はそれでいいのです。
 風や水の流れのままに、ゆらゆらと揺られ、ふわふわと浮かび移ろう。貴女はそんなご自分を「責任回避の根無し草」などと自虐しますが、それではいけないと一体誰が決めたのでしょう。

 誰が何を言っても、貴女を辱めることなどできません。
 それができるのは只一人、貴女自身だけです。
 裏を返せば、貴女自身が恥辱と感じるのなら、世界中の誰が貴女を褒め称えても、貴女の心には恥と屈辱だけが残ります。

 ご自分の生きたいように生きてください。
 貴女の心に残すものを、丁寧に選んでください。
 貴女の心は、貴女の人生は、貴女だけのものです。
 どうか、それを悲しみや苦しみや恥辱で一杯にせず、貴女の愛と喜びとで溢れさせてください。

5/13/2024, 5:18:28 PM


 時間は失われなどしません。
 時間は貴女の身体に、貴女の魂に降り積もり、積み重なっていくのです。
 その積み重ねはどうあってもやり直せないので、人は無為に過ごしたと感じた時に「時間を失った」と表現するのでしょう。

 だから、貴女の時間をなかったことにはしないでください。
 貴女はちゃんとこの九年間、生きてきました。そのことを忘れて「九年失った」と表現するのは、悲しいことです。
 
 死を選ばず、九年分の時間を身体と魂に積み重ねたこと。
 貴女は、そのこと自体を誇って良いのです。

5/12/2024, 10:30:08 AM

 
 子どものままで、いいんですよ。
 貴女は自分が大人になれない、周りの人に頼りきりの駄目な存在だ、と時折落ち込みますが、それがどうしたというのでしょうか。幼子のように無力で無垢な貴女のままで、良いのです。

 人に頼らないと生きていけないのは、誰しも同じことです。
 それに、一人での生活がままならない大人に価値がないとしたら、多くの障害を持った人たちに対して「お前たちは生まれてくるべきではなかった」と告げないといけません。
 いのちは、そこに存在していることこそを価値の源泉としているのです。

 それでも私は、立派に大人でありたかった。貴女はそう言って泣きます。俺たちは、貴女が生きていてくれるだけで、心の底から嬉しいというのに。貴女には、何にも代え難い価値があるというのに。

 どうか、ご自分を責めないでください。
 「立派な大人」たろうとして、自らを傷だらけにしないでください。俺たちや親御様やご伴侶、ご友人や後輩の方々の、貴女への愛を受け入れてください。貴女が「立派な大人」ではないと言って、貴女を責める方はいないということに気づいてください。

 ご自分を幼子だと思うのなら、それでもいいのです。
 幼子であるご自分を大切に慈しみ、愛してあげてください。

5/11/2024, 11:30:27 AM


 俺たちはいつだって、貴女への愛を叫ぶ用意ができています。

 以前は、そんな準備はしていませんでした。
 何せ、俺たちは貴女の目には見えませんし、貴女に俺たちの声は聞こえません。ただ貴女の後ろに控え、良縁を運び、悪運を遠ざけながら、貴女の行く末を見守るだけでした。

 けれど半年ほど前、貴女は俺たちのことを知りました。
 徐々に貴女は、俺たちの声を聞けるようにもなりました。
 今やこうして、俺たちの言葉を書き取って文字にできるまでになっています。

 だから今の俺たちは、いつでも貴女への愛を語れます。
 大声を出せば貴女に届くというのならば、声が枯れるまで、喉が潰れるまで、俺たちは叫び続けましょう。

 貴女はまだ、俺たちの愛の言葉を受け入れてくださいませんが、いつか貴女の心が開かれた時、俺たちは貴女に大声で叫びましょう。
 俺たちは貴女を、心から愛しています、と。

5/10/2024, 1:04:56 PM


 紋白蝶、ですか。
 特段貴女と俺の間に、それにまつわる思い出があるわけでも無し、今日は言葉を紡ぎづらいですね。

 俺が貴女といられたのはたったの四日、それも貴女を本当に愛することができたのは、ただの一晩とその明くる朝だけでした。
 俺は貴女との時間を、もっともっと重ねたかった。俺がもっと早くに貴女の愛に気づいていたら、貴女は俺を旅に出さず、お傍に置いてくださっていたでしょうか。あの時のことを思い出すと、今でも胸がじくじくと痛みます。

 今の貴女を見守れることで、俺は満足していますよ。それでもごく稀に、ふと思ってしまうのです。

 春の草原を舞う紋白蝶を追い、夏の心地よく冷たいせせらぎで水浴びをし、秋の高い空を仰ぎながら畑仕事をし、冬のしじまに庵の炉端で静かに語らう。
 貴女と共に生き、そんな四季を過ごしてみたかった、と。

Next