小説上手く書けるように修行中のJK

Open App
1/24/2026, 3:07:22 PM

ステージの光が強すぎて、彼女の顔は映らなかった。 ファインダーには、輪郭と影だけ、それでいいと俺は思った。 歌姫は光の中にいて、俺はカメラの後ろにいる。 その距離が、ちょうどよかった。 ライブが終わったあと、彼女は非常口の前に立っていた。 夕日が背中から差して、やっぱり逆光だった。

「ねえ」

声だけが、はっきり届く。

「正面から撮らないよね」

「どうして?」

 少し間があって、彼女は言った。

「顔、見えないほうが安心するから」

その理由は聞かなかった。 次の撮影は、昼の屋上だった。 影は短く、光は逃げ場がない。

俺はカメラを下ろした。

「今日は、撮らない」

彼女は驚いて、それから笑った。
初めて、ちゃんと顔が見えた気がした

完成した映像の最後は、逆光のステージ。
スピーカー越しに拍手だけ残る。
顔は、最後まで映らない。
それでいい。 彼女は光の中にいて、俺はまだその輪郭を見てる。

「逆光」

1/21/2026, 10:53:50 PM

9月16日
祝日があるわけでも、学校が休みになるわけでもない。
俺の誕生日でもなければ、特別な記念日というわけでもない

少なくとも、この町に引っ越してくる前までは

この地域では、9月16日の夜に祭りがあるらしい、妖怪を労る祭りだとか、仮面を付けていないと妖怪に連れ去られるという話だ。

「くだらない」

俺はそう思った。
高校生にもなって妖怪などなんだの信じる理由がない。

そして夜になって提灯の赤い光が町を照らした。
思ったより大規模な祭りだ。
俺は行きたくなかったが、両親に無理やり連れていかれた。
周囲の人はみな、仮面を付けてる。
鬼、天狗、狐、どれも表情がなく、誰が誰だか分からない。

俺も仮面をつけていた。
けれど息苦しさに耐えられなかった俺はすぐ森へ行った。
そこで俺は仮面を外してしまった。

その瞬間背筋が凍った。

「外しちゃったんだ」

声がした。
振り返るとそこには一人の男が立っていた。
狐の仮面を付けて紺色の着物を着てる、背丈は俺と同じくらいで声も若い。
仮面の奥からクスッと笑う気配がした。

「それダメなんだよ、この祭りでは」

「、、脅かすな。妖怪に連れ去られるってやつだろ?」

「うん、連れ去られるよ」

彼はそう答えると俺に近づき仮面越しにじっと見てきた。

「君引っ越して来たばかり?」

「なんでわかる?」

「知らない顔だから。」

その言い方が妙に引っかかった。

「僕たちはね、この日しか外を歩けない。人の振りをして混じって仮面つけて」

ぞくり、と背中が震えた。

「僕たち、?」

「そう、妖怪」

あまりにもあっさりそういった。
狐の仮面の奥で少年は笑ってる気がした。

「君は運がいいよ。外したのが僕の前で」

「連れ去るのか、」

「別にそうしてもいいけど、君は綺麗な顔してるからね」

その言葉に理由もない寒気がした。

「それ、、褒めてるのか?」

「ううん、目印」

「、、は?」

少年は楽しそうに首をかしげたが俺には少し恐怖を感じさせた。

「次会った時、間違えないため」

森の中で、ざわり、と何かが動く気配がした。

「おや、君は人気者だね。それもそうか、都会生まれの綺麗な人間はレアだからね。でも先に目をつけたのは僕だから」

彼はそう言って俺の手首を掴んだ。
痛かったが、その手はすぐ離された。
痛みは引いてるはずなのに、掴まれた場所はいつまでも熱を持っていた。

「今日は帰っていいよ。仮面をつければまだ人間でいられる」

「まだってなんだよ、」

問い返した時、彼の姿は無かった。

その夜、寝る前に掴まれた手首を見た。
そこには見たことの無い赤い紐のブレスレットが着いていた。
それはまるで誰かに「ここだ」と示されてるみたいだった。



「特別な夜」

1/20/2026, 1:11:47 PM

私は魚が好きだ。
自由自在にあの広い青い海で泳いでいて美しいからだ。
特にイルカが好きだ
あの青色の身体に綺麗に泳いで海の宝石のようだから
私は泳ぐのがずっと好きだった。
小学校高学年から習い事でやり続けた水泳は今高校生になっても続けていた。やめたい、辛いなどは感じたことがなかった。それくらい好きだった。
ある年の夏休み、家族と沖縄へ行った。
初めての旅行だった。沖縄の海に着くとまるで宝石を散りばめたような美しい海が広がった。私はそこで初めてスキューバダイビングをした。
海を深くまで泳いだのは初めてだった。
小さい魚達が私を世界へ呼んでいた。私は呼ばれるがまま小さい魚達へついて行った。案内さんとははぐれ海の底に辿り着いてしまった。
私は陸に上げられた魚のようにバタついてしまった。急に不安になったのだ。
その時海の底に光る何かがあった。何かと思い拾い上げるとそれは鱗だった。魚の鱗だがなにか特別な雰囲気を纏っていて鱗はオーロラのような色をしていた。

「きれい、、」

私が呟いた時

「綺麗でしょう?」

人の声が聞こえた。
後ろを振り返ると、ダリアの花のような美しい女性がいた。とても驚いたが、その美しい見た目に圧倒された。

「それは私の鱗よ」

彼女はそう言った。彼女の足は魚のそれだった。

「に、人魚、?」

「そうよ、人魚!とって食べる?」

彼女は意地悪そうに笑った。

「食べないよ」

私がそういうとそうでしょうねっと笑い後ろを向いた。

「ねぇ、こっち来て!貴方にあげたいものがあるの」

そう彼女は言って沈没船に着いた。

「ほら見て、いいでしょ?これは私の宝物」

そう言って彼女が見せてくれたのは真珠のネックレスだった。そして私の首に当てた。

「うーん、、貴方も似合ってるわ!」

彼女は曖昧そうだがそういった。

「貴方運がいいわね!こんな私と出会えるなんて」

そう言って彼女は私に真珠のネックレスをくれた。

「こんな高そうなの、、」

「売っちゃダメよ!」

強くそう言った。そして悲しそうな儚い顔をして

「これは私の最後の宝なの。だから大事にしてね?きっと貴方なら」

そう彼女がいいかけた時、あさせから声が聞こえた。私を呼ぶ声、管理人さんだ。
後ろを振り返ると人魚の彼女はもういなかった。

「あれ、、?」

その時管理人さんが来て海の底から浜辺まで連れていってくれた。私の手には真珠のネックレスが握られていた。

あの海の底での事を思い返し、調べて見た。
あそこの海は昔人魚のお姫様が亡くなった場所だったらしい。彼女は人、魚、自然を愛す美しいオーロラの鱗を持った真珠のネックレスを大事にしてる人だったそうだ。
戦争で地は枯れた時一緒に亡くなってしまったそう。
もしかしたらこのネックレスは彼女の思いが詰まってるのかもしれないと、私は宝箱にしまった。

「貴方の想いを私は宝にするね」

あの海の底の思い出を忘れることは無いだろう。

「海の底」