お題『距離』
なんで女子校にいる女子って距離近いんだろうねって思う。
私、高校から女子校だったんだけど、女子校って移動する時、友達同士で手を恋人繋ぎしながら歩いてたり、お互いに腰を抱きながら歩いている人がわりといたのよ。
私もやられたことあるんだけど、私は居心地悪かったなぁと。
でも、女子同士ってなるとなんで距離が近くなるんだろう。べつに仲良くない女子に抱きつく人もいるし。
不思議だったなぁ、あの頃。
お題『泣かないで』
『泣かないでちょうだい』
そう俺の頭を撫でながら笑っていた母親は、裏で悪態をついていた。隠し通せてると思っていたようだが、小さい頃から俺は気づいていた。
俺は母親の理想の子供ではないらしい。だからせめて笑って貰えるように勉強を頑張った。べつに好きではなかった。
そしたら、目に見えて褒めてもらえる回数が増えてきた。満点を取ったときしか褒めてもらえないのが分かってるから、その分必死になった。
その糸が切れたのは中学卒業間際、俺が第一志望の高校に入れなかった頃だ。母は心底失望した顔をして、受かった第二希望の高校へ行くと言った瞬間、口では「いいよ」と言いながら、裏で
「子どもの頭がよくないと、私が義母さんに怒られる」
と吐いてるのを見た。その瞬間、「この人は自分のことだけなんだな」と冷めた目で見るようになった。
とりあえず学費は払ってもらえている。父親は、もともと育児に関心がない人だった。ただお金だけをくれる人だ。
高校に入って、母親に愛されてないと思った俺は寄ってきた女の子と片っ端から付き合っては遊んで捨てる生活ばかり送るようになった。成績なんて、もうどうでもよくなった。
だけど付き合って五人目になる彼女から
「もっと自分を大事にしなよ」
と泣かれた。なんとなく女の子と遊ぶのに同情を買ってもらいやすい自分の身の上話を屋上でした時だ。この彼女もかわいいけど、一回遊んだら捨てようと思っていた矢先のことだ。
「泣かないでよ」
俺は笑みを浮かべてその彼女を抱きしめる。ちゃんと心が通じたと思って付き合ってくれてる彼女に、なんだか申し訳ない気分になったのと同時、あの母親みたいに「めんどくさいな」という気持ちが芽生えてしまう自分が嫌になった。
お題『冬のはじまり』
今の日本に秋なんてない。ものすごく暑い夏が半年以上続いたと思ったら、もう冬が来た。
秋特有の過ごしやすいほどの涼しさなんて微塵も感じられず、夏から一月くらいしか経ってないのにセーターを着て、その上に分厚い生地のジャケットを羽織るのがちょうどよくなってしまった。
もうすこし昔は季節にグラデーションがあったと思ったけど、温度の変化が急激だからどうしたもんかなと思う。
お題『終わらせないで』
かつて私はこのアプリをやる前、『小説を書きたいのにネタがない』という悩みにぶちあたっていた。
好きで好きで仕方なかった(今も現在進行系で好き)コンテンツのBL二次創作をしていて、五万字近くの自分としては大作を書ききってしまった後、ふと、書きたいものがなくなってしまった。
私は焦った。
「書きたい。書きたいけど他人から受けそうなネタがない」
そこでインターネットの海を泳いで、「ネタがない時」で検索をかける。そこには「書きたいものがなければ書かなければいいじゃない」という言葉があって絶望した。
どうすればいいんだと思い悩み、投稿サイトへ行って、単発企画に参加してはあまりの読まれなさに絶望して、横のつながりを持って義理の評価をし合っている人たちを「ケッ」と思いながら見つめて、「なんとかならないかなぁ」といろんなSNSに参加したりした結果、ここを見つけることが出来た。
このアプリは毎回お題が出て、それについて書くことが出来る。それにたくさん評価をいただけている。このSNSぴったりだなぁ、一年は途切らせないようにしようと目標に決めて続けている。
相変わらず書きたいネタみたいなものはまったく思い浮かばないけど、「毎日書いてる」というのが自分にとっては精神安定剤みたいなものになっているのだ。
お題『愛情』
私のゴミみたいな処世術。
今付き合っているべつに好きでもない恋人に対して、「好き」「愛してる」と言ってわざと気持ちを高める。本当にこれだけ。
べつに好きではないんだけど、かといって別れる気はない。タイプではないけど周囲から「イケメン」って言われてるし、学歴は高いし、年収も高い。彼は私を愛してくれているらしい。
だけど、私は愛というものを知らないで育った。
もう絶縁してる支配的な親から自分の思い通りに私が育たないと暴力をふるうか泣いて騒がれたりしたし、いじめられてきたから友達の作り方なんてわからない。
大学になって、一人にようやくなれて、そんな中で私はあるサイトで見た「行動から感情がわきあがるもの」というものを実践して、どうにか人間関係をうまくやり過ごすことが出来るようになった。好意的な言葉を他人に言い続けたり、優しくしたりすれば嫌に思う人はいないらしいということを知った。
今の恋愛も言霊に乗せて自分の気持ちを高めることで実践している。
自分でもクズだと思う。だけど仕方ないじゃん、私はこんなことでしか人を愛する方法を知らないんだから。