みけのこ

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2/4/2023, 2:10:49 PM

初めてはいつだってドキドキだ。
それに忘れられないって聞く。

間違ってないよって、近所の4つ上のお姉さんが言ってた。

お姉さんの忘れられない人ってどんな人?って聞いたら、
悲しそうに笑って、
内緒
っていうから、それ以上聞けなくなった。

その翌年、お姉さんは天に還った。
その翌年、お姉さんのお墓参りにきた男の人は泣いていた。
お姉さんのお墓にキスする彼の姿は、今でも忘れられない。
『Kiss』

2/1/2023, 3:40:15 PM

「最近、これに乗ったのいつです?」
彼女は微笑みながらたずねた。
公園に来ることすらめずらしいインドアの私からすれば、思い出せない。
「学校帰りにこれに乗って話すのとか青春じゃないですかぁ!」
彼女は嬉しそうに笑う。
「インドアの私からすればこんなのほとんど乗った記憶がないな。君はいつ乗ったんだい?」
「……忘れちゃったんですね…」
彼女は悲しそうにつぶやいた。
俯いてしまった彼女の顔は見えない。
「え…?」

「好きでしたよ。大好きです。さようなら。」

彼女が揺らいで消えた。

『ブランコ』

1/31/2023, 1:48:51 PM

歩く。走る。乗り物に乗る。
電車、車、飛行機。
どんな方法でも、私は旅立てることを知った。

足を伸ばして、どこに行こうか、なんて考えるのが好きです。

私が進んだ先に何があるのか。
側に誰もいなくても、お金を失っても。

旅路の果てに私はなにかを得るでしょう。
『旅路の果てに』

1/31/2023, 4:38:46 AM

「好きだよと伝えればいいのに
願う先怖くて言えず」
街を歩いてたら流れてきた歌声が、今の私にぴったりで。

信号待ちに、雪が舞う空へそっと手を伸ばす。

雪を避けるように早歩きする人々の中、私はラジオから再び歌声に耳を傾ける。

「信じた明日を君はどこで笑うの」

ねぇ、あなたはいまどこで笑っているの?

「好きだよと好きだよが
つのっては溶けてく」

好きだったよ、ずっと。

あなたくらい好きな人にまた、出会えるかな。

幸せに、なってね。

『あなたに届けたい』

1/28/2023, 1:54:34 PM

まだ薄暗い街へと繰り出す。

少しずつ明るくなっていく美しい街に、私は目を細める。

こんなときに貴方を思うの。
明けの明星が、綺麗ですね。

『街へ』

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