「最近、これに乗ったのいつです?」
彼女は微笑みながらたずねた。
公園に来ることすらめずらしいインドアの私からすれば、思い出せない。
「学校帰りにこれに乗って話すのとか青春じゃないですかぁ!」
彼女は嬉しそうに笑う。
「インドアの私からすればこんなのほとんど乗った記憶がないな。君はいつ乗ったんだい?」
「……忘れちゃったんですね…」
彼女は悲しそうにつぶやいた。
俯いてしまった彼女の顔は見えない。
「え…?」
「好きでしたよ。大好きです。さようなら。」
彼女が揺らいで消えた。
『ブランコ』
2/1/2023, 3:40:15 PM