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7/23/2025, 9:03:31 AM

曖昧で良いの私忘れっぽいから
カレンダーの印だって分からなくなるわ
適当で良いの私迷子性だから
広げた地図だって辿り着けないの
偶然で良いの私天邪鬼だから
大事な大事な約束事だって
一つも守れた試しが無いわ
逢えれば良いのいつかどこかで
そこにどんな意味があったって
逢えれば良いのいつかどこかで
それがどんなカタチだったって
逢えれば良いのいつかどこかで
あなたに逢えたならそれだけで

‹またいつか›


功績を持って死んだなら
神の目に留まる生き様なら
星となって星座となって
いつまでも天に描かれると
少し前にページを撫でた
無名のまま在り来りに死ぬ
そのほんの少し前の日に
きっと神すら灼き付くような
そんな人になるからと
当然続いていくような日に
遙か未来を描いていた
小さな小さな魂を
神すら記憶しない些細を
掬ってすくって空に落とした
小さな小さなイシだった
星にも為れぬイシだったけど
一際大きく輝いて
眩しく夜空を駆けていった
きっと誰かがまた同じ
同じ願いを掛けて祈る
星が流れて意志を追う
その先にきっと君も居る

‹星を追いかけて›

7/21/2025, 9:45:05 AM

一匙掬って君の為
一匙含んで君の為
例えその口が君の望む
美しい言葉を操れずとも
一つ開いて君の為
一つ握って君の為
例えその手が君の望む
美しい世界を描けずとも
一つ歩いて君の為
一つ進んで君の為
例えその足が君の望む
美しい未来へ着けずとも
一つ学んで君の為
一つ超えて君の為
例えその知が
それでも君が
より良い生を望むなら

‹今を生きる›


遥か遠くとソレは言う
目指す頂点へ弛まずに
輝きの先へとソレは言う
到達の栄光へ過たず
深く深くへ私は臨む
例え他誰も望まずと
青空をゆく純粋を
得られなかった私には

‹飛べ›


初めて目を開いた日
初めて一人で座った日
初めて立って歩いた日
初めて一人離れた日
初めて
初めて
初めてを重ねて
そして今日もまた新しく
鮮やかに笑って旅に出る
初めの一歩を重ね重ねて
全てを特別に変えていく

‹special day›


ふわふわと
きらきらと
木漏れ日が
明滅する
さわさわと
ゆらゆらと
枝葉の影が
増減する
ふらふらと
きりきりと
影が
揺れて
揺れている

‹揺れる木陰›

7/17/2025, 10:12:43 AM

今日は何処で誰に会おうか
どんな絶望と奇跡を見ようか
謎を解いて知識を得て
不思議を知恵に煮溶かして
それは誰かの夢の跡
目を開けて見る夢の色
今日は誰の夢を見ようか
好きに気儘に頁を捲れ

‹真昼の夢›


髪の長さを二人揃えて
約束の爪先に紅い色
反対の指は交換こ
溢れた赤を同じだけ
服も靴も合わせて中間
違うところは合わせて削って
同じだけ混ぜて同じだけ混ざって
そうして相似に為れたなら
二人で一つ 一人で二つ
そうして同一に成れたなら
どちらか消えてもどちらが消えても
誰にも分からなくなれるなら
そうしてそうしてそうしてはじめて
はじめてふたりで
ふたりで
ひとりで

‹二人だけの。›


この生命達は
いつまで生き耐えるんだろうか
この生物達は
いつ息絶えるだろうか

‹夏›

7/14/2025, 9:08:31 AM

そろそろかと見渡して、そうして初めて首を傾げた。
集まる面子は雰囲気の違いこそあれど、
おおよその面影はみんなあったから。
アイツは、と声が上がった。
見ていない、とあちこちから返される。
企画立案も実行リーダーも
今日の集合すら旗振った、
たった一人が見当たらない。
もう始めようよ、と声が上がった。
帰れなくなる前に、と口々に。
元より集合時間は遅かった、
これ以上延ばせば夜になる。
何かでうっかり遅れたか、
やがてそのうち来るだろうと、
用意していたシャベルを取った。
記念樹の根本、小さな石碑、
昔にタイムカプセルを埋めた場所。
掘り返そうと刺した土は
不思議な程に柔らかく、
金属でも植物でもない塊に、
鋭利に柔らかく刺さっていった。

‹隠された真実›

7/13/2025, 10:01:11 AM

金属を打ち付け合う音が、どうにも好きになれなかった。どうしてか体が鈍く痛むような気がした。
硝子を叩き鳴らす音が、どうにも好きになれなかった。どうしてか頭が酷く痛むような気がした。
涼し気で美しいと皆が喜ぶ、ソレがどうにも昔から苦手だった。
忘れてしまって良いんだよと、何処かから声がした。

‹風鈴の音›


例えばソラを行き遠く神秘を目にするように
例えばソラを行き遥か星々を触れるように
例えばウミを行き深く暗闇を覗くように
例えばウミを行き広き煌めきに踊るように
例えばマチを行き長閑な日々を愛でるように
例えばマチを行き雑多な人々を見守るように
例えば天に例えば地に
あついばかりのおもたいにくを
抜け出せたならいつか
捨てられたならいつか

‹心だけ、逃避行›


水と砂埃に烟る道
青く抜ける空と沈黙の緑
私の好きな冒険譚
地続きに似た冒険譚

光と闇に大翼が舞い
魔法と刃を打ち鳴らす
僕の好きな冒険譚
どこか遠くの冒険譚

‹冒険›

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