Open App

そろそろかと見渡して、そうして初めて首を傾げた。
集まる面子は雰囲気の違いこそあれど、
おおよその面影はみんなあったから。
アイツは、と声が上がった。
見ていない、とあちこちから返される。
企画立案も実行リーダーも
今日の集合すら旗振った、
たった一人が見当たらない。
もう始めようよ、と声が上がった。
帰れなくなる前に、と口々に。
元より集合時間は遅かった、
これ以上延ばせば夜になる。
何かでうっかり遅れたか、
やがてそのうち来るだろうと、
用意していたシャベルを取った。
記念樹の根本、小さな石碑、
昔にタイムカプセルを埋めた場所。
掘り返そうと刺した土は
不思議な程に柔らかく、
金属でも植物でもない塊に、
鋭利に柔らかく刺さっていった。

‹隠された真実›

7/14/2025, 9:08:31 AM