金属を打ち付け合う音が、どうにも好きになれなかった。どうしてか体が鈍く痛むような気がした。
硝子を叩き鳴らす音が、どうにも好きになれなかった。どうしてか頭が酷く痛むような気がした。
涼し気で美しいと皆が喜ぶ、ソレがどうにも昔から苦手だった。
忘れてしまって良いんだよと、何処かから声がした。
‹風鈴の音›
例えばソラを行き遠く神秘を目にするように
例えばソラを行き遥か星々を触れるように
例えばウミを行き深く暗闇を覗くように
例えばウミを行き広き煌めきに踊るように
例えばマチを行き長閑な日々を愛でるように
例えばマチを行き雑多な人々を見守るように
例えば天に例えば地に
あついばかりのおもたいにくを
抜け出せたならいつか
捨てられたならいつか
‹心だけ、逃避行›
水と砂埃に烟る道
青く抜ける空と沈黙の緑
私の好きな冒険譚
地続きに似た冒険譚
光と闇に大翼が舞い
魔法と刃を打ち鳴らす
僕の好きな冒険譚
どこか遠くの冒険譚
‹冒険›
7/13/2025, 10:01:11 AM