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2/27/2025, 10:20:44 AM

僕にできるのは記録であり、
記憶には遠く及ばないのだと、
君は胸を張っていた。
濃淡も明暗もまちまちに消えやすく、
歪曲とフィルターで不確定になる、
印象だけ残された架空のビデオが、
それほどまでに素晴らしいのか、
分からないのは僕に感情が無いせいか

‹記録›


帰るまでが遠足で
終わりよければ全てよし
だけど
どうしようもないエンディングでも
希望も救いもない最後でも
きっと君の心の中
膿腐る傷の一つにでもなれたなら

‹さぁ冒険だ›

2/25/2025, 9:59:55 AM

君の為に花を一つ
例えば君の歩く安全な街並み
例えば君の笑う無限の感性
例えば君の登る夢のステージ
例えば君の学ぶ多彩な国々
例えば君の繋ぐ愛情のカタチ

君のゆく未来に一つの花を
私が贈る一つの花を
皆で合わせて君達に贈る
精一杯の花束を

‹一輪の花›


「『十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない』とは言うけどさ、そうしたらこのオカルティックファンタジーとかも、未来にはただの事実事象になっていたりするのかね」
「まあテレビ通話に映写機合わせたら、ほぼこの通信魔法とおんなじ見た目になるよね」
「帰宅した時には洗濯も掃除も終わって冷暖房ついてます、とかドワーフか妖精の扱いになってそう」
「空も水上も宇宙も深海も行けます、カッコ尚って奴だけどまぁコレ正気の疑いから入るかね」
「それまず地上空中の移動速度ぶん投げた方がひっくり返るやーつ」
「雨乞い諸々系は魔法より神様になりそうか」
「秒で育って実るとかもマジね」
「身体生やせるはアクションファンタジーだと想います!」
「バベル塔無くても言葉通じるしなぁ」
「後は何が科学技術に落とされるかな」

‹魔法›

2/23/2025, 9:14:57 AM

虹の麓には宝物があると
君は笑って指を差した
遠い遠い景色の向こう
きっといつか一緒に行こうと

虹の麓には花畑があって
君は俯き泣いていた
遠く遠く川の向こうへ
君と共には行けなくて

‹君と見た虹›

2/22/2025, 12:35:53 PM

「はい始まりました夜空最速選手権。
 司会は私、いつでもあなたを見守る満月と」
「実は固定化されてません、実況の北極星で
 お送りします」
「さて選手達も続々と登場しております。
 それぞれ意気込みを伺いましょうか」
「ではエントリーナンバー1番、
 夜空を走ると言えばこの方、流星選手!
 今回は流星群の皆様とご参加ですね」
「空を飾るに相応しい姿、見せ付けて行きます!」
「流石は流星選手、激しく燃えております」
「流星選手は燃え尽き症候群のハンデが
 ありますからね…」
「表彰台にたてるかの問題がありますか…。
 気を取り直してエントリーナンバー2番、
 一晩に世界中、計算上は光速を超えると噂
 サンタクロース……のトナカイ選手!」
「こちらもチームでご参加ですね」
「最速のトナカイを決めに来た。他は知らないな」
「なんという自信!他の選手には目もくれない」
「例年は協力して重いソリを引いておりますが、
 単独走になることが吉と出るか凶と出るか」
「エントリーナンバー3の飛行機選手は
 少々到着が送れている模様です」
「最速選手権でこれは幸先の悪いスタートですね」
「スタート時刻に間に合わない場合は
 強制失格となりますので皆様ご承知おきを」

‹夜空を駆ける›

2/20/2025, 1:13:54 PM

口に出してはいけなかった
言葉にしてはいけなかった
思うことだけは許された
ばれないから許された
世間の一般をなぞらえた
自分の定義を調整した
興味の矛先を確かにずらし
手段と目的をすり替えた
してはいけないことだった
許されない筈のことだった
世間の風向きを静かに押した
作り上げた自分で圧した
伝えたいことがあった
とうに意味の無い事だった
伝えたいひとがいた
とうに届かない事だった
間に合わないことに気付いても
とうに止められぬ事だった

‹ひそかな想い›

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