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5/7/2024, 12:17:47 PM

恋ってどんなものかしら
甘くて酸っぱくてほろ苦い?
恋っていつ出逢えるかしら
子供の頃に青年期に?
恋って
恋って何なのかしら
知らないまま分からないまま
何回この日を迎えれば?
いつになったら終わるのかしら?

<初恋の日>

5/7/2024, 10:50:05 AM

馬鹿馬鹿しい、と白い煙
薄ら霞みと硝子の向こう
何処か剣呑な黒い瞳
良いじゃない、と白い唇
曇り重なる透明樹脂
僅か和ませた緩い笑み
永遠を誓った金の色
幸福を希った対の証
明日終わってしまうなら、
もう二人で居れぬのなら、
共に終わってしまえばと
共に来世を願えばと

<明日世界が終わるなら>

5/5/2024, 4:37:09 PM

桜の花びら
夜空の火花
暖色の落葉
染めゆく雪

君はいつも隣に居た
いつも居てくれた、から

君の居なかった日々も
とうに思い出せなくなったというのに

墜ち逝く桃花
俯く向日葵
見返られぬ木犀
頸落つ椿花

どうしてこの足は立ち上がれぬ
どうしてこの目は未来を見れぬ

どうして、君は

<君と出逢って>

5/5/2024, 9:18:09 AM

おいてかないでと声がする
一緒にいてよと声がする
僕はそれに答えられない
僕はそれに応えない
一人にしないでと声がする
何処にいるのと声がする
僕は口を開けない
僕は声を出さない

置いてきた友の誰とも
一緒に居た友の誰とも
それは誰とも違う声
先行した友の誰とも
見失った友の誰とも
それは誰かも分からぬ声

気付かれては生きられない
ナニモノカの声がする

<耳を澄ますと>

5/4/2024, 5:46:43 AM

ころり、と彼女が私にくれた
きっと素敵よと彼女が笑った
それを甘いと呼ぶのだと
それを赤いと呼ぶのだと
彼女と私が であることを
それが    事であると
私達は、知ってはいけなかった

蛇よ、知ってはいけなかったのだ

<二人だけの秘密>


ぱちり、と張られる頬
君は困ったように笑っていた
「駄目だよ、こんなことをしちゃ」
私は黙って手を見下ろした
悲しくて手を見下ろした
「悪い子を誉めたらいけないよ」
痛みのない頬を撫でる君
水面みたいに優しい君
君に正当な言葉を伝えるだけのこと
どうしてこんなにも難しい

<優しくしないで>

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