こたつの上には毎年のようにみかんが置いてある。
いつの時だっただろう?
昔は、彼とこたつに入ってみかんの取り合いなんかもしてたっけ?
そんなんとっくの昔の話。
今現在、私の前にいるものはいない。
あったとしても空気とみかん。
切ない思い出。
またいつか彼とみかんの取り合いしたいな。
無理なお願いだけど。
今日はイブ。
彼とのお揃いのネックレスをして、待ち合わせに向かった。
だが、時間になっても彼は来ない。
どうしたんだろ?
寝坊でもして、準備に時間かかってる感じ?
それから、数分後。
「ごめん。今日急遽行けなくなった。
事情はきかんで。」
なぜ急に?
私は何故なのか疑問に思いながらも、せっかく東京に来たんだし、1人で楽しもうと。そうした。
それから1人でぶらぶらーと東京の町を散策してたら、また彼から連絡が来た。
「ごめん、急に連絡して。
俺、お前と別れる。あと、これを機にメールもブロックするね
気持ち整理するためにも。
今までありがとう」
スラッとメールで私は彼に振られた。
何も悪いことはしてないし、どうして?って思ったけど、メールを送ってみだ、もうブロックされてるみたい。
作業はやすぎるやろ。
理由も分からず振られた私の気持ちは、モヤモヤでしかなかった。
彼の気持ちは忘れることなんてできない。
だって彼のこと好きなんだもん。
イブに振られるなんてホンマに着いてない人間すぎる。
でも、気持ちの整理が追いつかず友達を急遽呼んで、2人で東京のイルミを見に行くことにした。
でも、彼の気持ちをそれで消すことは一生できない。
私たちは、毎年恒例で誕プレを私あってる。
そして私はもうすぐで20歳の誕生日を迎える。
いつもだったら、どこかに出かけたりするんだけど、今年は無理そう。
それは...
私が病院にいるからだ。
私は生まれつきの病気でちょくちょく入院してた。
いつもだったら、入院してれば先生が誕生日の日にだけ外出の許可を貰えて、彼とデートしてた。
それが、何よりも楽しくて。
1年の中で1番楽しみにしてた日。
それが、今年は無理。
それは私の楽しみ、息抜きを奪ってる。と言いたいところだが...今年は今までよりもさらに悪化してて、危ない。だからだ。
体を優先するのが命を守るためにも、大切なのは十分に分かってる。
だけど...
お見舞いに来てくれた時に、勇気をだして真実を話した。
彼は笑顔で受け入れてくれた。
分かってる。受け入れてくれることは。
それで、本当に私は彼を幸せにできてるのか?
と思うようににってきた。
そして、迎えた誕生日の日。
この日は、ココ最近で1番体調の悪い人なった。
喋るのも辛い。もうこのまま、誕生日が命日になっちゃうんじゃないかと。
数時間後、彼は私の病室に誕プレを持ってお見舞いに来てくれた。
「こんな辛い中だけど、これみて俺の事思い出して欲しいな。それで、少しでもあんたの勇気となばと。
あと、𝑯𝒂𝒑𝒑𝒚 𝒃𝒊𝒓𝒕𝒉𝒅𝒂𝒚🎉」
彼がくれたのは、ネックレスであった。
「いつ死ぬか分からない私がこんなもの受け取れへんよ。」
「気にしないで、いつどうなるかは分からないけど、辛い時はある。その時の。お願い」
「わかった。あんたの気持ち受け取ってやる。」
今日は面会時間ギリギリまで彼とずっと一緒にいた。
「明日は来れへんけど、明後日は空いてるからまたその時に。」
彼と話した最後の会話。
そして、今日貰った誕プレが彼から貰う最後の誕プレとなった。
次の日、緊急外来でたくさんの人が運ばれてきた。
どうやら、大通りの横断歩道での交通事故らしい。
私も、今日は忙しい日だなって思ってたやさき。
目に入ったのは、血だらけの彼であった。
彼は、あの交通事故に巻き込まれたらしい。
結構重症で、命が助かるかどうかってところらしい。
それを聞いた私はその場で泣き崩れた。
なんで彼がこんな目に会わないといけないの。
悲しみしか溢れてこなかった。
その後、彼の治療の結果は残念ながら、上手くいかずそのままサヨナラとなってしまった。
私は先生に「彼に合わせてください。」
強くお願いした。
近くには行けなかったけど、遠くから彼の姿が見えた。
それから、彼が数年後。
医療の発達のお陰で私の持病は完治はしてないが良い方向に進んできた。
私は、今になっても私の誕生日は必ず彼に貰ったネックレスをつけて、彼の元へ向かう
「本当だったら、私の方が先にさよならするはずだったのにね。このネックレス、あんたが亡くなる前最後にくれたプレゼント。お気に入りでずっとつ使ってるよ。この話毎年してるね。」
このプレゼント、私にとって忘れてはいけない、忘れられないものとなった。
ありがとう。
この場所はとってもゆずの香りがする。
それは、ここがゆず農園だからだ。
ゆずは私にとって大切な存在である。
忘れられない思い出の中には必ず"ゆず"があった。
昔一緒によく出かけてた彼、彼は私がなにかに失敗したり、落ち込んだりしてると、どんな時でもゆず差し出して言った。
「この匂いを嗅ぐと心落ち着くよ。さわやかになって。何かが変わるわけじゃないけど、気持ちスッキリする感じすると思うよ。」
そう言ってゆずを差し出す。
いつもその匂いを嗅いで、心を落ち着かせてた。
ゆずというかその匂いは、私にとって大切な存在になった。
ゆずを見ると彼のことを思い出す。
あれは、私にとって1番幸せな時間だったんだなと。
あの彼とは、もう5年もあってない。
理由は何も無い。
だだあってないだけ。
それでもゆずを見ると彼のことを思い出して、会いたないって思う。
空を見上げると、一面が広くて青い。
この空とは反面、私の心は小さく黒い雲におおわれて、雨が降ってた。
彼とは幼なじみで、小さい頃からよく出かけてた。
大人になっても、彼のは友達みたいな関係で遊んでた。
だけど、私は次第に彼に恋心を抱くよぅになった。今まではなんてこと無かった彼との遊びや会話が、ドキドキしたり不安になったり、緊張したりしてた。
この気持ちをいつか彼に伝えたい、そう思った。
そうだ、今日、彼暇してるって聞いたから誘ってみようかな。
そしてそこで告白しよう。
急な誘いも、私たちの中なら当たり前。
急に誘ってお泊まり会なんかした時もあった。
今考えるとキュンキュンしかしないけど。
彼からの連絡は、"OK!"ときた。
急いでメイクして、服を選んで待ち合わせ場所に向かった。
「おまたせ。」
「今日は準備早いな。」
「なんでそうなるん。いつもは遅いって言うん?」
「まぁ、遅いな。」
「ひどーい。でも事実だから変えられないもんね。」
「そうだよな。」
他がえもない会話、これも彼とのいつもの事。
変わりない。
でも、それが私はたまらなく好き。そういう空間だからこそ、彼のこともっと好きなれる。
今日こそは、彼に私の気持ちを打ち明けよう。
「あそこのカフェ行かん?」
「ええで。おしゃれなところやな。」
「やんな。カフェ注文し終わって、商品来たら話したいことあるんやけどええかな?」
「ええで。何?とっても気になるんやけど。」
彼もとっても気になってる。
そんなに気になんないで。だって告白なんだもん。
緊張しちゃうよ。
「いつもより緊張してない?」
「そんなことないよ。いつも通り。」
「俺の見間違いがすまん。」
「全然。」
それから商品きて、私は彼に告白した。
だが、その時彼は私にいった。
「俺は、あんたのこと最高の親友としか思ってない。それに言ってなかったけど、俺彼女おるねんよ。すまない。」
結局振られた。でも、最高の親友としては今まで通り接してくれるらしい。そこは、彼の優しいところだと思う。
だけど、私、この彼の広い心に少し悲しくなった。
今日はもう、彼の顔なんて見れないし、見たくない。
数日はもう彼のこと考えたくない。そう思って、その場から走り去ってってしまった。
少し離れた公園のベンチに座って空を見あげると、私の心とは真逆であった。
空は今日、青い。そして広い。青空。大空である。