抱負と目標は違うらしい。
目標を達成するための心意気のようなものが抱負。
だとしたら、私の今年の抱負は⋯。
目標が、表現の幅を増やして情景描写の向上。文章力の向上。だから、創作を楽しみながら続ける事だろうか。
ただ続けるんじゃなくて、楽しみながら書く。
心の片隅で何時も考えていることは、 昔出会ったあの人の事。
もう十年も前なのに、未だに忘れられない。
彼は今、何をしているのだろうか。
もう多分会うこともないだろう。
でも、もし会えたら、 私は何を言うのだろう。
そんな事を考えながら。
私は、また眠りにつくのだった。
創作
静かにシンシンと降る雪は、周りの音をも吸収していく。
静まり返った空間には、ただただ私の呼吸音だけが響いている。
怖いくらいの静寂が、なぜか私には心地良く感じられた。
暫くの間、心を落ち着けてくれる静寂に身を委ねる。
そんな風にゆったりと時を過ごしていると、突然ザクッザクッという足音が背後から聞こえた。
足音は、私に近づくにつれて段々大きくなっていく。
一体誰が……それとも気のせい? そんな疑問が浮かんだ頃に、その足音の主は現れた。
「おい!何してんだよ。こんな寒い中で。」
静寂の中に突如響いた、ぶっきらぼうな声。
その主が誰なのかは、見なくて分かった。
「何もしてないよ。」 私は振り返らずに答えた。
するとシンは、ハァとため息をついた。
「じゃあ、早く戻るぞ。こんな所にいたら風邪引くぞ。」
そして私に近づいてきて、私の頬を両手で包み込んだ。
「ほらみろ。頬が冷えてるじゃねぇか。冷え性何だから体冷やすなよ。」
そう言う彼の手は、とても冷たかったけど……でもなぜかとても温かかった。
「行くぞ。俺は寒がり何だよ。知ってんだろ。」
「……うん。」
そんなぶっきらぼうな言葉に、私は静かに頷き、連れられるまままに、彼の後をついていく。
【雪原の先へ】
まだ誰の足跡もついていない真っ白な雪原に、ザクザクと足を突っ込み、ひたすらに進んでいく。指先は真っ赤になり悴み、足は冷たいを通り越して感覚がない。冷気で顔が痛い、鼻も恐らく赤くなっているだろう。
それでも、私は歩き続ける。
この先に、きっと何かがあるはずだ。
そう、信じて。
【記憶のランタン】
「これの中に記憶(思い出)をいれて、満パンになると光るよ」
そう言って手渡されたのは、茶色くて中くらいのランタンだった。
私が、そのランタンを不思議そうにみていると、渡してきた人物は、
「ただし、特別な思い出、残して置きたい事を選ぶんだ。でないと、その中に入らなかった物は、君の記憶にも残らなくなってしまうから。」と注意を促してきた。
「解った!」
私は、そうを返事するとランタンを抱えて家へと帰った。
そして自分の部屋で椅子に座り、机の上に置いたランタンを見つめながら、何を入れようかと考える。
「大切な思い出かぁ…。」
あれもこれも入れたい事が多すぎる。
でも、
「これから先も大切な思い出は出てくるだろうし、まずは一つだけ。」
私はそう言って、思い付く中で一番美しい思い出を浮かべた。
すると、ランタンが一瞬だけぼんやりと光りを放った。
「おぉ!すごい!なるほど、こうなるのか。」
しかし、思い浮かべただけで、入ってしまうのは少し困る。
そこで、私は、ランタンは見えない場所にしまっておき、特別な思い出が出来たら取り出して入れるにした。
それから何十年も経ち、徐々にランタンはいっぱいになりつつあるが、未だに満パンにはなっていない。
一次創作