星音

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静かにシンシンと降る雪は、周りの音をも吸収していく。

静まり返った空間には、ただただ私の呼吸音だけが響いている。

怖いくらいの静寂が、なぜか私には心地良く感じられた。
暫くの間、心を落ち着けてくれる静寂に身を委ねる。
そんな風にゆったりと時を過ごしていると、突然ザクッザクッという足音が背後から聞こえた。
足音は、私に近づくにつれて段々大きくなっていく。
一体誰が……それとも気のせい? そんな疑問が浮かんだ頃に、その足音の主は現れた。

「おい!何してんだよ。こんな寒い中で。」

静寂の中に突如響いた、ぶっきらぼうな声。

その主が誰なのかは、見なくて分かった。
「何もしてないよ。」 私は振り返らずに答えた。

するとシンは、ハァとため息をついた。
「じゃあ、早く戻るぞ。こんな所にいたら風邪引くぞ。」

そして私に近づいてきて、私の頬を両手で包み込んだ。
「ほらみろ。頬が冷えてるじゃねぇか。冷え性何だから体冷やすなよ。」

そう言う彼の手は、とても冷たかったけど……でもなぜかとても温かかった。

「行くぞ。俺は寒がり何だよ。知ってんだろ。」
「……うん。」

そんなぶっきらぼうな言葉に、私は静かに頷き、連れられるまままに、彼の後をついていく。

12/17/2025, 10:26:24 PM