水無月はじめ

Open App
4/3/2026, 11:19:50 AM

『1つだけ』

海辺で拾ったシーグラス
一つとして同じものはない
僕の宝物

夏の日差しに反射して
ガラスを通した光が
きらきらと輝いている

僕もこうありたい
光を受けて
ただ純粋に
輝き続けるものに

僕を照らす光が
君だったなら
どんなに嬉しいことだろう

ただ揺蕩っていた僕を
見つけてくれたなら
それはこの上ない喜びだろう

4/2/2026, 10:49:24 PM

『大切なもの』

子供の時に
祖父からもらった小さな小さなアメジスト

泣く自分に
祖母がくれた和紙を貼った万華鏡

不貞腐れた自分に
母がくれた少し古びたオルゴール

大人になりかけている自分に
父親がくれたシルバーの懐中時計

何よりもそばにいてくれる
家族の存在

それがあるから
僕は今日も
しっかりした足で立っていられるのだ

4/1/2026, 11:14:51 AM

『エイプリルフール』

「四月馬鹿」
暦にすら馬鹿にされた気がした

くだらない嘘を吐いても良い
そんな日であるものの
どうも浮かぶものがない

君に嘘をつくのも
どこか罪悪感を覚える

そんな中
君が先に嘘をついた

どうしようもないほど
小さな小さな嘘だったが
僕は少し笑ってしまった

そうか
くだらない嘘で
人を笑わせる日でもあるのだと
君の苦笑を見てそう思えた

ならばといくらか気が楽になった
今度は僕の番だろう

君を微笑ませる
くだらない嘘を考えようじゃないか

3/31/2026, 10:39:10 AM

『幸せに』

楽になる資格など
無いものだと思っていた

全てが自分の蒔いた種なのだと
腐り切った態度で
独り闇を見ている気がしていた

月明かりだけが照らす道で
生暖かな風が吹いた
風の行方に目をやると
蛍が一匹飛んでいた

ヘイケかゲンジかは分からない
心に一つの明かりが灯った
モノクロの闇の中で
何故か彩を感じた

ただ自分のために生きている
蛍が少し羨ましくなった

明日の朝日は怖く無い
それは確信へと変わっていく

キジバトの鳴き始める時刻まで
起きておく必要も無さそうだ

今日はぐっすり眠れそうだ

布団の中で見る夢は
きっと色とりどりだろう

3/30/2026, 11:37:39 AM

『何気ないふり』

無造作にまとめた髪
急いで準備したものの
まだ日没には早いようだ

「花火を見に行こう」
そう言ってくれた君に
「別に良いけど」と
そっけなく答えてしまった

今も髪を意味なくまとめて
毎年花火を見に行っている
何気なく始まった交流も
今となっては独りよがりで

何気なく横道を見てみると
目を光らせた黒猫が一匹

その眼光は鋭くて
君の眼差しとは別物だったが
その黒猫を追いかけた
そのうちそいつは闇に隠れ
姿が見えなくなってしまった

逃げた先の暗闇に
目が釘付けになっていた

気付けば花火は始まっていて
打ち上がる花火に意識が戻る

帰りの道は
黒猫の後を追ってみよう
何となくだが
黒猫が受け入れてくれる
そう思えて仕方がなかった

Next