水無月はじめ

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『何気ないふり』

無造作にまとめた髪
急いで準備したものの
まだ日没には早いようだ

「花火を見に行こう」
そう言ってくれた君に
「別に良いけど」と
そっけなく答えてしまった

今も髪を意味なくまとめて
毎年花火を見に行っている
何気なく始まった交流も
今となっては独りよがりで

何気なく横道を見てみると
目を光らせた黒猫が一匹

その眼光は鋭くて
君の眼差しとは別物だったが
その黒猫を追いかけた
そのうちそいつは闇に隠れ
姿が見えなくなってしまった

逃げた先の暗闇に
目が釘付けになっていた

気付けば花火は始まっていて
打ち上がる花火に意識が戻る

帰りの道は
黒猫の後を追ってみよう
何となくだが
黒猫が受け入れてくれる
そう思えて仕方がなかった

3/30/2026, 11:37:39 AM