9/25/2022, 2:02:59 AM
つづきのわからない子守唄を
延々と繰り返している
海の骸に溺れるように
木漏れ日の殻に縋るように
降り零れるまま、あの頃を享受している
9/24/2022, 12:44:46 AM
(雨が窓を叩く音が、なんともヒトの飯事のようで)
いじらしさの中に見つけたおざなりな模倣は
意図せず疎外感を得るのにひと役買った
明日は人になれるだろうか
陽の色灯るデスクライトに、睡魔をあやす深夜2時
9/22/2022, 5:40:08 PM
宵に昼寝から起きたとき
家には誰もいやしなかった
虚空に伸ばした手にかかる
影だけ私をみつめていたのだ
「――私、生きているのかしら
いいえいいえ、生きてはいるの
生きてはいるからこそきっと、
愁いに抱かれただけなのでしょう…」
乾きを覚えて引き攣る唇(くち)を
数十年後の骸が舐めた
いま影をたたえる肉々にすら
証明のしようもないくせに
9/22/2022, 5:09:05 AM
わびしいをふかす秋風くぐり
この身は知らぬ、恋とやらの思案に暮れた
堪えて嗄れゆく憧れなのに、
湛えて散りゆく諦めなのに、
彩度の落ちた街の行方に
あなたがいればなるほど確かに
幸せだろうと思ってみたのだ、
――この身は確かに思ってみたのだ
<秋恋>
9/20/2022, 10:07:26 AM
濕った空気と静かな温度
普段は見えない顔がほろりと
絡まる髪を結い上げて
もういいから逃げ出しにいこう
なにを思えど訊かぬといいよ、
なにも識らずに死ぬるがいいよ
垢の張り付く手を引き寄せて
優しくない市街地を踏む
あしたいっしょにいれるといいね、
あたしといっしょにいれるといいね
絡まる髪を結い上げた
もういいから逃げ出しにゆくのだ
濕った空気と静かな温度
普段は見せない顔がほろりと、