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宵に昼寝から起きたとき
家には誰もいやしなかった
虚空に伸ばした手にかかる
影だけ私をみつめていたのだ

「――私、生きているのかしら
いいえいいえ、生きてはいるの
生きてはいるからこそきっと、
愁いに抱かれただけなのでしょう…」

乾きを覚えて引き攣る唇(くち)を
数十年後の骸が舐めた
いま影をたたえる肉々にすら
証明のしようもないくせに

9/22/2022, 5:40:08 PM