君と見た景色
燦々輝く太陽の下で虫とりをした草むら
よく他の子と君が滑り台の順番で喧嘩してた公園
ベンチに座りアイスを食べた駄菓子屋
くだらない事を大声で笑いあって怒られた図書館
夕焼けの空の下帰った河川敷の道
憎まれ口を叩きながらゲームで競った君の家
何十年も経ってしまえば、いつかは変わってしまうであろう景色を、僕はいつも目に焼き付けている。
今でも、隣に君がいなくとも、なぞればあの頃の懐かしい気持ちに浸れるこの景色を。
君と見た景色。
大好き/僕の小さな思いの話
大好きって言葉を聞いて、最初に思いついたのは自分の大好きなことです。
僕は絵が大好きです
描くのも、誰かが描いたものを見るのも。
辛く悲しそうな絵
やわらかくて楽しそうな絵
描き手の好きなものをぎゅっと詰めた幸せな絵
他にも色々な絵があるけれど、その全てに想いが、努力が、いろんなものがこもっているのでしょう。
そんな絵が、僕は大好きです。
けれど大人になるにつれて、僕は絵を描くことが大好きだと言いにくくなってしまいました。
なんだか良く見られない気がしてしまって。
学校の友達と大好きなことを話してる時
大好きなことを聞かれた時
大好きなことを書く時
小学生の頃は全部絵だって言えていたのに、書けていたのに、なんだか全部だめになってしまって。
それはきっと、周りの目が変わったのではなくて、僕の目が色んなところを見れるようになったからなのでしょう。色んな言葉を耳に入れることができるようになったからなのでしょう。
だから、僕の大好きなことを良くみる人は沢山居るんだって簡単なこと、分かっているんです。
分かってるんです。
でもやっぱり言いにくくて、一番好きなことについて書く国語の授業で僕は歌を聴くのが好きだって書こうとしました。
なのにいつから好きなのかとか、どんな気持ちになれるかとか、全然何も出てこなかったんです。
絵のことなら全部出てくるのに。
こんなの考えすぎな小さな思い込み。
そう分かっているのにやっぱりだめで、
それなら絵から離れれば良いんじゃないかと言うことも一瞬頭をよぎったけれど、
その間きっと僕は何をとっても僕は絵が大好きなんだなって実感するんだと思います。
いっぱい言葉が出てくるのもきっと、大好きな絵のことだからです。
初めに書いたけれど、僕が「大好き」で最初に思いついたのは何よりも先に絵のことでした。
僕は絵が大好きなので、描けなかったら死んでしまうし、この先離れられることなんてないんでしょう。
うーん、なんだか結局何が言いたかったのか、書きたかったのか忘れてしまったけれど、とりあえず
僕は絵が大好きです!
花の香りと共に
右腕には大きな薔薇の花束を、
頭と首にはいつもの黒いニット帽子と彼がくれた手製のガーネットのマフラーを、
コートの左ポケットにはジュエリーショップで何時間も悩み抜いた指輪を入れ、
花の香りと共に日本行きの飛行機へ乗り込む。
今日は2月14日。
透明
私の中身はないです。
光を通して無いように見えるだけですけれど
私の色はないです。
薄くて無いように見えるだけですけれど
私の顔はないです。
私の頭はないです。
私の声はないです。
私の足はないです。
でも全部、無いようにみえるだけです。
中身も、色も、
顔も頭も声も足も
皆を照らして、照り返させて、
色も中身も全部見えるようにしてくれるはずの光
それが、
私に気付きもしないかのように通り過ぎてしまって
本当は私にもあるんです。
中身も、色も。
顔も頭も声も足も全部、あるんです。
ただとても薄くて、光が通り過ぎてしまうだけで
だからどうか、私の中身を、色を
顔を、頭を、声を、足を
私を、見て欲しいのです
星
無数に光る星の中
一際大きく、ちかちかと目が眩むほどぎらぎらと、
眩く強く光り輝き照りつけ、
目を奪うはプレアデスの星団、通称すばる。
誰もが見失ってしまい諦めたというのに、僕だけは諦めようとしなかった。
強い輝きに目が眩んだときの、あの感覚が諦めさせてくれなかった。
その感覚を忘れることなく、決して諦めず、
僅かな星のかけらを追いかけ続けることこそが、
それだけが、僕が僕の心を保つ唯一の方法だったのかもしれない。
──────
時が流れ、もう用の無くなったその感覚。
でもやっぱり全部忘れるなんてことはなくて、
今でも僕の中にこびりついて離れない。
それどころか定期的に更新されている気さえするけれどね。