夜兎

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9/21/2025, 11:52:10 AM

雨上がりの空にかかる虹は、
君と僕を繋ぐ架け橋のようだった。

共に過ごして20年。
眠るように静かにこの世を去り、虹の橋を渡っていった。

甘えん坊で寂しがり。
いたずらしては素知らぬ顔でとぼけてみせる。
そんな君は、かけがえのない家族の一員だった。

_____もっと一緒に居たかった。
君の温もりが、今も恋しい。

虹の橋の向こうで、君に会えるだろうか。



#虹の架け橋

9/20/2025, 10:42:52 AM

___ごめん。出来心だったんた。許して欲しい。

送ったLINEのメッセージは既読にならない。
未読無視かブロックか、どちらなのか分からない。

でも、あのときは本当に出来心だった。
感情を表に出さず淡々とする彼女に嫉妬してほしくて
ただ、それだけのつもりだった。

いつからか彼女より浮気相手を優先するようになり、
気づけばそっちに夢中になっていた。
彼女とのやり取りやデートも疎かになって
彼女の存在をぞんざいに扱った。

今の現状はきっとその報いなのだろう。
自分が彼女にしたことが返ってきただけ。

返事が来ないスマホを握りしめながら、俺は項垂れた。


#既読のつかないメッセージ




9/18/2025, 12:39:40 PM

「もしも世界が終わるなら___何がしたい?」

クッションを胸に抱えてそっと問いかけた。
斗真は、虚を突かれた顔をしてから、ふっと吹き出す。

「突拍子もない質問だね。うーん……そうだな」

顎に手を添えて悩む仕草がどうしようもなく愛おしい。
きっかけは、ほんの少しの好奇心が疼いたから。
斗真が最後に望むものが知りたかった。

「朱莉と一緒にいたいかな」

「……え?」

世界が反転する。
目に飛び込んできたのは白い天井と彼の顔。
戸惑う私を優しい手つきで押し倒し、斗真は何も言わず微笑んだ。

「最後の時まで一緒にいてくれないのか?」

いつもより低い耳に残る声。
滲み出す色気、頬に触れる手の熱さも意識せずにはいられず、呼吸が苦しくなるほどときめいてしまう
何度、私を惚れ直させるつもりだろう。

「……そんな聞き方、ずるいわ。あなたを拒めないって、知ってるくせに」

いつの間にかクッションはベットの端へ。
代わりに私は、斗真の腕の中に閉じ込められる。
今夜は眠れない。
そんな予感が頭をよぎった。



#もしも世界が終わるなら

9/17/2025, 10:22:55 AM

君とはいつも一緒だった。
冒険したり、秘密基地を作ったり
色々な景色を一緒に見てきた。
たくさんの思い出が積み重なっている。

それらは僕の愛着であり、かけがえのない記憶。

けれど、もう一緒に歩けなくなってしまった。
泥や煤にまみれ底も擦り減った。
何より、僕の足に合わず履くことができない。

だからさよならするんだ。
僕の大事な相棒、今までありがとう。

#靴紐

9/16/2025, 11:50:01 AM

「答え、聞かせてほしいな」

場に似つかわしくない陽気な声に身を固くした。

声の主は恋人だ。
にんまりと口元を歪め背後から抱き寄せられる。

「あの男、誰なの?」

「っ……とも、だち……」

耳元で囁かれる声に甘い痺れが走る。
逃げなければならないのに、
彼に囚われ逃げられない。
少しでも彼以外をみれば、束縛が強くなる。

「他の男に媚びを売るならお仕置きが必要かな」

「媚なんて売って……っ……!」

「言い訳は必要ないよ」

首筋に立てられた歯は皮膚に食い込み痛みを発する。
逃げようにも体を拘束され微動だにしない。
彼は抵抗など気にもとめず、軽々と抱き上げベッドまで運ばれて押し倒される。

「君は、誰のものかもう一度体に刻み込んであげる」

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