夜兎

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「答え、聞かせてほしいな」

場に似つかわしくない陽気な声に身を固くした。

声の主は恋人だ。
にんまりと口元を歪め背後から抱き寄せられる。

「あの男、誰なの?」

「っ……とも、だち……」

耳元で囁かれる声に甘い痺れが走る。
逃げなければならないのに、
彼に囚われ逃げられない。
少しでも彼以外をみれば、束縛が強くなる。

「他の男に媚びを売るならお仕置きが必要かな」

「媚なんて売って……っ……!」

「言い訳は必要ないよ」

首筋に立てられた歯は皮膚に食い込み痛みを発する。
逃げようにも体を拘束され微動だにしない。
彼は抵抗など気にもとめず、軽々と抱き上げベッドまで運ばれて押し倒される。

「君は、誰のものかもう一度体に刻み込んであげる」

9/16/2025, 11:50:01 AM