nanagraph

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12/1/2022, 5:01:56 PM

「距離」

私は学生の頃、勉強とは距離をおいていた。嘘だ。できなかっただけだ。

いや別に東京卍会に入るような、荒くれ者では決してなかったが、かと言って、いじめられっ子だけどボクシングが強いみたいな子でもなかった。

もちろん、見ず知らずの人が紫のバラをくれるような、ある種の天才でもなかったし、ヤンクミのような、実は実家がすごい家でもない。

普通の子が、普通に勉強しなかったら、普通にできない子になりましたというお話だ。そこには、できない子を東大に入れるようにしてくれる桜木弁護士も、登場しない。

そんな子が、やがて大人になり、親になったものだから、その子供は大変だ。

なんせ勉強でわからないところがあっても、私には聞けない。なんとか一緒に解こうと頑張ってはみるが、分からない者同士、解けたためしがない。

教えてくれるのは、学校をサボって機動戦士ガンダムを観に行ったら補導された話とか、家にこもって村上春樹をずっと読んでる間に、大学の前期試験が終わっていた話とか、役には立たないことばかりだ。

そんな情けない親なものだから、世の中知らないことだらけだ。でもこの歳になって、知らなかったことを知った時、わからなかったことが、わかるようになった時、なんとも言えない満足感を感じるようになってきた。遅いけど。

今流行りの「リラーニング」(学び直し)ではないが、今まで手を出さなかった宗教や哲学、経済、金融、地政学など、Kindle Unlimited で読める本を、片っ端から読んでいる

例えば、宇宙の果てについてのネット記事を読んだのも、つい最近だ。こんな面白そうなことを真面目に研究することが仕事だなんて、なんと楽しそうなことか。

宇宙の果てまでの距離が、138億光年という、一体どうしたらそんな数値が出てくるのかは、よくわからないが、なんかとてもロマンのある仕事のように思うのだ。

もちろん当の学者や研究者から言わせれば、国からの補助金やら研究開発費は削られるわ、そのくせ成果は求められるわ、薄給で非正規だわと、実際は大変な仕事なんだろうけれども。ロマンで、飯は食えないと言うことか。高給で中国企業に再就職する技術者も、多いとか。

ちなみに娘の、今就きたい職業は、市役所事務員だそうだ。とても現実的な娘に育っているのだが、もう少し夢があってもいいのではないだろうか。

昔は、プリキュアだったのにな。

11/30/2022, 4:50:58 PM

「泣かないで」

お父さん、その気持ち、よくわかります。

先日、娘と一緒に小児科に行った。インフルエンザとコロナワクチンのダブル接種だ。

話は少し逸れるが、1度に2種類の予防接種を受けるのは、初めてだ。右腕にインフル、左腕にコロナワクチン。そんなことをしてもいいんだと少し驚きもした。

この先コロナが2類から5類感染症に引き下げられたら、毎年この時期に2種同時接種が当たり前になるのだろうか。そうなったら予防接種料も2倍になるので、かなりツラいかも。

話を小児科に戻そう。私達が予防接種の順番を待っていると、お父さんが娘さん2人を連れてやってきた。お姉ちゃんは4歳、妹はおそらく1歳ぐらいで、インフルの予防接種に来たっぽかった。

来た時から妹はグズっており、お父さんは抱っこしながら、泣かないでと、一生懸命あやしている。まわりに気を使って頭を下げている。そんな親子を見ながら、私はあるTVCMを思い出していた。

それはACジャパンのCMで、コンビニで支払いに戸惑っているお婆さんに、後ろから強面のお兄さんがラップで、そんなに焦らなくてもいいんだぜ♪と歌うのだ。

実際私にはリズム感がないので、ラップは歌えないが、そんな私も心の中で歌っていた。お父さん、そんなに気を使わなくてもいいんだぜ♪と。

お父さんの「子供がグズったり泣いたりしたら、周りに迷惑がかかる」という気持ちは、よくわかる。でも幼い子供は、泣くものだ。

そしてここは、小児科だ。ここに来ている大人達、お父さんの横に座っているおばさんも、小学生のお子さんと並んで座っているお母さんも、みんな子供のグズりを経験してきた人なので、ちゃんとわかっているよ。

案の定、予防接種が終わった妹は、待合室にギャン泣きで帰ってきた。でも誰もスマホから顔すら上げない。ほら、子供の泣き声なんて、誰も気にしていないのだ。

支払いを済ませて、お父さんは最後まで、申し訳なさそうに出て行った。折しも、元バレーボール選手が、2人乗りベビーカーでバスに乗れなかったとネットニュースで話題になっていた。

もちろん子供のいない方もいらっしゃるだろう。幼い子供のうるさいのは嫌だと思う方も、残念ながら世の中にはいる。でもその人も子供の頃は、やっぱり泣いていたと思う。みんなお互い様なのだ。

彼らが出て行ったあと、小心者の私は、心の中でお父さんを応援するのであった。頑張れ、お父さん。

ここで、私は、ふと思う。
あれ、私の支払いの順番は? 私の方が、先に来てたよね。

ま、いいか。

*ちなみにACジャパンのCMは、Youyubeで観れます。ご興味があれば、ぜひ。

11/30/2022, 7:17:13 AM

「冬のはじまり」

我が家では、冬のはじまりといえば鍋だ。

鍋はいい。温まるし、普段不足しがちな野菜もいっぱい取れる。娘も鍋は大好きだ。しかしそんな理由は、私にとって二の次だ。では、一番の理由は何か。そう、楽だからだ。

もちろん栄養を、ないがしろにするつもりはない。大切だと思う。また栄養満点でも、娘が食べてくれなければ、意味がない。ただそれを上回るほど、楽であるということは、重要なのだ。

うちは共働きなので、食事の準備はどちらかできる方がするのだが、二人そろって「楽」信者である。楽は正義だ。いやどこぞの三代目にように、泥棒だけど人気者みたいな、多少悪かろうが、足りなかろうが、楽が優先されて何が悪いと思っている。

なんといっても、いちいち悩む必要がない。冷蔵庫にある肉やら野菜やらを、適当に切って入れるだけだ。鍋つゆも作らない。私が作るより、プロが作った美味しい鍋つゆが、この時期スーパーの棚に、所狭しと並べられているではないか。寄せ鍋、キムチ鍋、カレー鍋、豆乳鍋などなど。悩むのなんて、せいぜい買う時ぐらいだ。なんて素晴らしい鍋ライフ!

ただ一点、忘れてはならないのが、我が家では麺が必須であるということ。普通麺はシメの一品だと思うが、我が家では、最初から投入されている。そんなことしたら、麺が伸びるじゃんと思われるかもしれないが、我が家ではお構いなしである。逆に娘曰く、麺のない鍋はいらない、らしい。それなら最初からラーメンでいいのでは?という、ごもっともなご意見もあろうかと思いますが、却下します。我が家では、これが鍋です。鍋なんです。

先週、今年初めて夕食を鍋にしたら、娘が「ついに冬がきたか」といって笑っていた。

我が家では、冬のはじまりは、鍋なのだ。

11/28/2022, 9:15:20 AM

「愛情」

愛情といえば、チオビタだ。

「愛情1本、チオビタ・ドリンク」。もうこれ以外に、思い浮かばない。昭和の頃からずっとある、お馴染みの栄養ドリンクだが、私は1回も飲んだことがない。そもそも栄養ドリンクで取れる栄養なんて、たかだかしれているのに、さもちゃんと栄養が取れるっぽいそのネーミングも、どうなのかと思う。でも各社からいろいろ販売されているので、きっと売れているのだろう。

ドラマなどで、栄養ドリンクの空瓶が2〜3本転がっている徹夜明けらしき朝のシーンをよく見るが、本当に効くのかと疑問に思う。昔、夜中に東京まで車を運転して行ったのだが、その時飲んだ「眠◯打破」という眠気覚まし飲料は、ちっとも効かなくて、浜松辺りで力尽きそうになった覚えがある。事故らなくて本当によかった。

さて、この「愛情1本、チオビタ・ドリンク」だが、考えてみれば、実によくできたキャッチコピーだと思う。愛情1本というだけで、製品名を思い浮かばせることができるのだ。コピーライターにしてみれば、してやったりではないだろうか。他にも「元気ハツラツ」だったり、「ファイトイッパツ」だったりと、キャッチコピーを読んだだけで、製品名が浮かんできませんか?そもそもTVCMが、基本変わらず、長く続いているからというのもあるだろうが、栄養ドリンク業界には、名キャッチコピーが多いと思うのは、私だけではないはずだ。

みなさんも、19時に送られてくるお題に悩んで、夜更かししてしまったら、チオビタなど、いかがでしょうか。

ちなみに私は、24時間戦えないので、諦めて早く寝る派です。

11/26/2022, 2:48:12 PM

「微熱」

保育所から「迎えに来てください」と職場に連絡があると、なぜ嫌な思いをしながら退社しなければならないのか。

娘は小さい頃、よく熱を出した。うちは共働きなので、どちらかが迎えに行かなければならない。私の仕事を同僚がすることになるので、申し訳なさでいっぱいだ。上司にイヤミも言われる。「仕方ないことやけど、急に帰られても、困るんやけどな。まあええわ、早よ帰って。」

確かに微熱かもしれない。でもその為の有休ではないのか。その「急に」ってなんやねん。じゃなにか?2日後に娘が発熱しますと言って、前もって有休届を出せとでも?イヤミの代わりに「お大事に」と一言いうだけで、相手がどれほど救われた気持ちになるか、考えればすぐに分かりそうなものだが。

私は、家族の為に働いている。決して会社の為ではない。その大事な家族が熱を出した時に、有休を使って何が悪いと思うのだ。どうせ毎年十何日も消滅していくのに。本人の体調不良も子供の体調不良も、有休を使えばみんな一緒だ。その時は、お互いがフォローし合えばいいではないか。みんなでフォローしあえる体制を、作ればいいではないか。

お迎えもそうだが、子供が、夜中まで騒ぎまくって、なかなか寝なかった翌日に発熱なんて、珍しくもなんともない。でもそんな朝に、「休みます」の連絡を入れる気まずさと言ったら!なんでこんなにも嫌な思いをして、有休を取らねばならないんだ?なんでだ?

あなたの会社が、そんな会社ではないことを、切に願う。

うちの会社も、働き方改革という名の残業規制ばかりではなく、上司の意識改革もやってほしいものだ。

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