静かなる森へ
痛いほど生を感じたい時、僕は静かなる森へ行く。
これだけ大きく、存在感があり、さまざまな生き物の居住地だと言うのに、なぜ静かに感じるのか。
目を前を流れる澄んだ川に、人工物を全て剥いだら、浸かる。
力を抜いてふわっと浮かぶ。
流れ流され揺れるこの心地は羊水のようで、僕は僕を忘れる。
次第に音が無くなって、目も見えなくなって、キラキラと葉と葉の間から降り注ぐ優しい日差しが目にかかる。
感覚も無くなってきたころ、僕はどんどん元に戻る。
手足が無くなり、人の形は崩れる。
静かなる森へ。
人間は大地の養分になれるのかな?
毒ではないのだろうか?
静かなる森は僕に応えない。
静かなる森へ。
さまざまな生を受け止めている貴方は
僕を受け止めてくれるのか?
静かなる森は僕に応えない。
夢を描け
覚めてしまうならいっその事描かなければ良い。
夢なんて嫌いだ。
見たくもない。
ぐっすりと寝ていたい。
目を瞑っていたい。
夢を描け。
夢などない。夢など見れない。
夢を描け。
描けない。描き方など知らない。
夢を描け。
そんな夢をまた今夜も脳は描いていた。
届かない…
あ…届かない。
届かないから諦めれない。
届かないから諦めきれない。
わざわざ僕を届かない場所に置いたんでしょ?
そう伝えたい貴方にも届かない。
何にも届かないし、届けれない僕。
物理的な距離も、心でも、全部届かない。
ただ手元にあるのは、ほつれたロープだけ。
何にも届かない僕だから、きっと。
天井に届いても天国には届かないだろうなぁ。
届かないなぁ。
ラブソング
ラブソングって誰に向けて書かれているんだろう。
いや、そりゃ好きな人、愛しい人なんだろうけど。
誰かに聴かせたい、
一緒に聴きたい、
歌いたい、
奏でたい、
それがラブソング。
もしそうならば、私は私に。
今まで、特別頑張ったことはなかったとしても、何らかの才能を持った人間でもない私でも、私は私からのラブソングを。
大好きで守ってあげたかった自分へ、
ごめんね、おやすみ、私。
手紙を開くと
ずっと待ち焦がれていた。
ずっとずっとずっと、待ち焦がれていた彼の事。
彼からの手紙。
その手紙の表面を撫でる。
乾燥していたその手紙は、彼の手のようだった。
所々焦げていて、焦げ臭く、土臭く、血生臭く…。
だけど、なぜだか彼の優しい匂いを感じた。
怖い。
この手紙を開くことで、蜘蛛の糸のような細い希望が途切れてしまう。
知りたくない。
読みたくない。
怖くて怖くて、どうしようもなく寂しい。
それでも、また、彼の言葉を聞きたくて、私は手紙を開いた。
手紙を開くと、焦げたところからぼろぼろと彼が崩れて風に舞っていく。
嫌だ。
嫌だ。行かないで。
ずっと独りだったのよ。
嫌だ。
「_あいしてる、' ` - ヽ ‐ ,, ー」