絆
不思議な縁、絆とでも言うのだろうか?
もう会わなくていいと思っていた彼女が僕の目の前に居た。
あの時、密かに恋心を劣情、嫉妬を抱いていた相手が、
あの時、彼女は僕に見向きもしなかった。
「なんだよ。」
嫌な気持ちが態度に出てしまう。
「あのっ、わ、私さ…あなたに謝らなくちゃと思って…」
謝る?今更何を言う。
どこまで都合のいい人だ。
僕は無視をして彼女の横を通り過ぎる。
「絆って信じる?」
彼女はまた僕を見ていない。
「私、あなたとの間には絆があると思うの。」
彼女は僕の腕を掴み、頬を赤らめてそう言った。
彼女の体温がやけに重くて気持ち悪い。
絆か。そう。そうだね。
「…絆、昔はそんないい意味で使われてなかったんだよ。今の僕たちみたいに、切りたくても切れない縁のような。」
彼女は僕の恋心に気づき、それを利用して僕を追い詰めた。
僕は全ての彼女の罪を背負わされて、社会の影で身を潜めて生きている。
なのに、彼女は並以上の生活をしていると聞く。
絆なんてふざけるな。
僕は今の今までお前からの呪いに苦しめられてきたんだ。
「ここでまた出会ったことが絆や縁であるならば、切ってしまおう。」
大好きな君に
大好きな君に、
まず、僕を不安のはけ口にしないで欲しいこと。
不安になる弱い心を持つくせになぜ僕のこと殴るんだい君は。
照れ隠し?ああそう、可愛いね。
次に、僕にお金をせびるのはやめて。
僕だってお金が無いんだ。
なに?僕しか頼りにならない?何円必要なの。
それと、たまには君から好きって言って欲しいんだ。
なんで大事なことは言えないんだ君は。
大好きな君には笑ってて欲しいんだ。
弱る前にいつものように僕をこき使ってくれればいいよ。
いや常識の範囲内でね?
不憫な日々でも、我儘言われても、
大好きな君に捧げる日々は僕を生きた心地にさせてくれる。
ブランコ
ブランコに乗って、空を蹴る。
飛ばしてくれない空を蹴る。
何度も同じ事を繰り返すだけのブランコ。
それでも夢中になってしまうブランコ。
地面を蹴って空に足を投げ出して、
空を蹴って蹴って、高くする。
高く高くなったブランコに身を任せて後ろに落ちて、
空が僕を飛ばしてくれるなら、
ブランコみたいなこの日々から抜け出せると思う。
でも、大嫌いな空を今日も蹴る。
幸せとは
手を出された。
僕は、知らなかった温かみと、
他の子達も知らない温かみを知った。
愛情?
性欲?
性愛?
どれかに当てはまるのだろうか。
世間は当てはめない。
犯罪。
異常。
不憫。
そうだ、確かに犯罪だ。
でも僕は心地が良かった。
嫌じゃなかった。
空っぽだった心が満たされてしまったから。
幸せとは?
僕の事を、誰が不幸と言っても、
僕の心は幸せになってしまっている。
幸せとは、それは独りよがりで、それは間違いで。
その気の所為が幸せなのかもしれない。
日の出
あ、今日が始まった。
太陽の光が彼の横顔を照らしている。
この今日は、彼が越したくなかった今日。
私は、それを止めてあげた。
彼が見たことない今日に生きているなんて、嫌だ。
なら私のすることは決まっている。
決まっていたのに。
なぜ私だけ昨日を越してしまったのだろう。
彼は私をなぜ置いていった。
日の出が見える。
嫌という程今日だと認識させてくる。