未希

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9/6/2024, 11:32:50 AM

鳥は時計だ。


空が赤い紫色になったころ

一羽の鶏が大声で歌う

無事に夜の暗さを乗り越えたことを祝っているのだろうか


空は一面の黒から赤を通り、薄い青色となる

小鳥は歌い、仲間を求める

集まった小鳥たちは合唱し、己の不安を打ち消すのだ


人間は時計を見る

木造りの小さな家から出てくる鳩を見ながら、昼食を食べる

9/5/2024, 11:38:21 AM

あの人は、泳げないのに海へ行くのが好きだった。

海に行って、ずうっと、寄せて、返す音を聴くのだそうだ。

彼は海へ行くたびに「思い出」とひとつ、貝殻を拾ってきた。
日が暮れるたびに増える貝殻。巻き貝に、さくら貝。色も形もバラバラだ。テレビ棚の隅っこに置かれた貝殻は、少しずつ、少しずつ増えていった。
いつもは部屋の汚れに無頓着な彼も、貝殻だけは捨てないで、と言っていた。いつの間にかテレビ棚は、ほんとうの海のようになっていった。



ある時、突然貝殻は増えなくなった。
2人だった部屋は半分になり、影を、持った。貝殻はそのまま、少しずつ埃が積もっていった。もう貝殻は増えない。

今まであれだけ一緒にいたのに。

今までずっと一緒だったのに。

私は行き場を失い、海へ沈む。深く、暗く。

深く、暗く。

9/4/2024, 12:15:36 PM

人は愚かだ。
人は、他者との関わりの中にコンプレックスを生む。他者が先へと進めば進むほど、先へ進めない自分の影が際立つ。やがてその影は大きくなり、程なくして自分自身を飲み込むまでになる。

人は影だ。
影はやがて小さな舟を生み出す。小舟は影に浮き、気まぐれに進む。速くなったり遅くなったり、時には戻ったり。そうしているうちに舟はある島にたどり着く。足跡があるが、名前のない島。舟はそこで長い時間をかけ、島と一体化する。

人は名前のない島だ。
島はどんどん大きくなり、やがて山脈となる。山脈は豊かに実り、生態系を構築する。生命で溢れた山脈に、人は憧れる。どうやら溢れる生命が輝いて見えるようだ。人は光り輝く生命に愚かに惹かれ、昔自身が「そう」であったことに気づかない。

やがて人は、他者が自分であったことに気づくのだ。

9/3/2024, 12:31:06 PM

ネコは可愛いなぁ

何がかわいいって、

全体に丸みを帯びた手
広げても一つ一つが丸い手
裏を向けたらもっと丸いのがある手

ピンとはった耳
薄く細い血管が透けて見える耳
たまに途中で折れていても気づかない耳

ちいさな顔に大きな目
ちょっとした物音で大きくなる目
時間や気分でクッキーみたいに丸々する目

まだまだ書ける。もうやめとこ。

9/2/2024, 2:09:57 PM

きみがいるから頑張れるんだよ。

きみが嬉しそうに笑うのが好きだ。
モーツァルトのような君の笑い声
ほんのり暖かくてホッとするんだ。

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