ね。

Open App
3/16/2026, 6:27:37 AM

迷い込んだ森の奥には、小さな湖があった。その湖面は、月明かりに照らされ、きらきらと輝いていた。



ボクは、側にあった切り株に腰を下ろし、ポケットからビスケットを1枚取り出した。2日間何も食べていなかった。
ひと口かじると。いつも通りバターたっぷりの味がした。
甘党のボクに合わせて作ってくれる姉のビスケットは、ボクの大好物だった。
楽しそうにビスケットを焼く姉の姿を思い出し、涙がこぼれた。





姉は、2日前に突然いなくなってしまったのだった。
彼女がよく通う店や、知人の家や、思い当たる所、すべてを探したけれど、どこにも姉の姿はなかった。
姉の行く先を知るものも、誰もいなかった。



もう何もかも投げ出してしまいたくなって、ボクは乱暴に道を歩き続けた。
もうボロボロだった。
どうしていいか、わからなかった。




下を向くと、足元に散らばった、ビスケットのかけらを求めて、小さなリスが寄ってきていた。
ボクは残りのビスケットをそっと足元に置いた。リスはそれを抱えると、1度だけこちらを見て、森の中へと消えてしまった。






しばらくすると、湖の方から、こぽこぽ、と音がしてきた。
風もないのに湖が波打ちはじめた。
湖面の輝きがどんどん増していき、眩しくなってボクは思わず目を瞑った。


今度は、ざぼん、と水の動くような音がした。
びっくりして目を開けると、湖の中央から、噴水のように光たちが溢れ出していくのがみえた。
その細かな光たちは、天高く舞いあがり、しゃらしゃら、と夜空に流れていく。
空をたゆたう美しい光たちは、色とりどりの輝きを放っていった。




湖からたくさんの星が溢れる様子をボクはただただ、見ていた。




ひとつ、光の輝きが他とは違うことに気づき、目を凝らすと、その中あったのは、姉の眩い笑顔だった。
ボクは慌ててその光へ向かって走りだした。手が届きそうになった瞬間、その光はぱんっと弾けてボクを包みこんだ。あたたかな、優しい光だった。
ボクは、光とともに、空に向かってのぼりはじめた。







3/15/2026, 7:07:47 AM

あなたの 安らかな瞳を みていたら
少し 落ちついてきたようです。

ありがとう。



わたしは
ただ 穏やかに ありたいだけなのに


どうやら いまのままでは
それは 叶わないようです。


ただ 穏やかに あるために
いま
破壊が 起きているのでしょうか?



もう消えたと 思い込んでいた 痛みや
もう赦せたと 思い込んでいた あれこれ

それらは まだ 
わたしの中に
たくさんたくさん 残っていたようです。


ああ
くるしい
ああ 
つらい
あちらこちらで
叫びがきこえてくるようです。


きっと
わたしだけでなく
みなも そうなのでしょう。




ただ 穏やかに あるために
ただ あたたかな 光であるために
いまは 辛抱のとき なのでしょう。


3/13/2026, 10:49:34 AM

ずっと 隣でいられたら
私は しあわせだったかしら?

ずっと 隣にいられなかったから
私は しあわせじゃなくなったのかしら?


それじゃ なんだか
貴方のせいみたい

違うわ
貴方の せいじゃない

貴方がいても いなくても
私は しあわせだし
私は しあわせじゃない

もちろん
貴方が 大好きで
ずっと 一緒にいられたら嬉しいわ



でもね
いろいろ 変わるのよ
変わって いくのよ




貴方は 貴方のしあわせを
私は 私のしあわせを

そうやって
みな それぞれ
しあわせを みつけていくのよね


たぶん

3/13/2026, 5:07:30 AM

彼は、本が好きだった。
知らないことをたくさん学べるから。
この狭い場所にいても、本を読むだけで彼の世界は拡がった。


彼は、歩くことができなかった。
いつも病室のベッドの上で過ごしていた。
本を読むことだけが唯一の楽しみだった。
食事をする時間さえ惜しんで、彼は本を読み続けた。


本は、病院の隣りにある小さな図書館のものだった。
毎日毎日、彼の家族が様々な本を借りてきた。
おかげで彼はたくさんの知識を得たのだった。



📖📖📖



あるとき、彼は珍しく部屋の外に出たい、と言った。
歩けない彼は、ベッドから動くことをずっと頑なに拒んでいた。
しかし、いま読み終えた本に出てきた、春の訪れを感じてみたくなったのだ。


彼は、家族と共に車椅子で病院の庭へ出た。
初めて感じる空気やにおい。
風が優しくほおをなで、太陽の光が身体をあたたためた。
鳥がさえずり、木々がゆれている。



ああ 美しい
ああ なんて 素敵なんだ
ああ…


彼の目から涙がこぼれ落ちた。


彼は、
外の世界をもっと知りたい、と思った。

3/12/2026, 4:32:16 AM

平穏な日常があって
その中に
大波小波があって
ざぶんざぶざぶと揺らされて

また
平穏な日常になって
ゆるりゆるりと過ごしていたら
また
ざっぶ~んざっぶ~ん
ざぶざぶさぶと波がきて

必死に沈まないようもがいたり
諦めてぽっかり浮かんだりしていて
気づいたら
また
ゆるやかな平穏な日常になっていて



そんなことの繰り返し

Next