バイトが突然休みになったので、近くのショッピングモールに出かけることにした。平日とはいえ、店内は思ったより混雑している。実は人混みがあまり得意でないので、別の場所にしようと入り口に引き返そうとしたところ、「すみません、こちらいかがですか?」とチラシを渡された。
″こんな夢を見た″
チラシには大きくこう書いてある。
どうやら、特設会場で夢について語るイベントを開催しているらしい。
普段ならその手のイベントには行かないのだが、なんだか興味が湧いて行ってみることにした。
会場は2階の端にあり、なぜかだれもおらず、ひっそりとしていた。おそるおそる黒い幕をめくり中に入ると、イスに座った1人の女性がにっこりと笑ってこちらをみていた。彼女は大きな水晶玉を目の前に置き、まるで占い師のようだ。絶対に怪しいのだけど、妙な懐かしさがあって、ボクは意を決して彼女に声をかけようと息を吸う。
「こんにちは。どうぞ、お座りください。」
ボクが挨拶するより先に、彼女が言った。
「わたしの夢の話をきいてください。そのあと、あなたの夢の話をお聞かせくださいね。」
彼女はそう説明すると、自分の夢の話をたんたんと語りはじめた。まるで、お伽話のような、不思議な夢だった。
かなり長い時間彼女は話し続けた。
「はい。これでわたしの夢の話はおしまいです。ありがとうございました。では、あなたの夢の話をお願いいたします。」
彼女は目を瞑り、水晶玉を両手で包んだ。すると、キラキラと水晶が輝き始め、その光はあたりいっぱいにひろがった。ボクは眩しくて目を瞑った。
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ピピピ ピピピ ピピピ
ピピピ ピピピ ピピピ
ピピピピピピ ピピピピピピ
ピピピピピピ ピピピピピピ
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピ!
ん?
目覚まし?
ん?
あれ?
ん?
占い師は?
水晶玉は?…
夢?
夢なの??
マズい…
バイトの時間に間に合わない…
タイムマシーンがあったら、どこにいく?
(ちなみにいけるのは、私の人生のストーリーのみ、です。)
未来の私に、会いにいこうかな?
(なりたい私になってるかな?)
過去の私に、会いにいこうかな?
(泣いていた私を抱きしめにいこうかな?)
うーん
どうしようかなあ…
えっとね、
たぶんね、今は使わないかな。
だってね、
未来は楽しみにしていたいし、
過去は今、癒してあげることができるから。
うん、
だからね、
まず今をね、
今の私を大切にして、過ごすの。
それが1番かな!!!
(目の前にホントにタイムマシーンが出てきたら、使っちゃうかもしれないけどね。ふふふ。)
「とくべつ?」
こぎつねは、目をキラキラさせて、いいました。
「ふふふ。今夜はね、特別な空が見られるんだよ。」
とくべつ、という言葉に素直に喜ぶ、こぎつねの様子があまりにも可愛くて、おばあちゃんきつねは、思わず微笑みました。
今日は、夜空にいっせいに星が降るのです。たくさんの星たちを見ることができる、とてもとても不思議で特別な夜、なのです。
暗くなってきました。
森の仲間たちはすでに、空がいちばん近くに見える丘に集まっています。
こぎつねは、ちょっぴり待ちくたびれて、眠い目をこすりました。おばあちゃんきつねに抱っこされ、うとうとしはじめた、そのとき、
「みて!!」
と、誰かがさけびました。
🌠 🌠 🌠 🌠 🌠
シャラシャラ
キラキラ
リラリラルー♪
楽しげな音と共に、いっせいに星たちが現れました。そして、つぎつぎにあちらへ、こちらへ、と舞い踊りはじめたのです!
いつもとは違う、彩り豊かな星たち。
あまりの美しさに、こぎつねは
「おばあちゃん、きれいだねえ。」
といい、目をまあるくしました。
すっかり目が覚めたこぎつねは、おばあちゃんきつねの腕から降り、星たちの真似をしてあちらへこちらへ、と踊りだしました。
そのあとを、森の仲間たちもそれぞれ好きに舞い踊りながらついていきます。
みんなが踊ったあとには、光の粒が煌めいています。なんて美しいのでしょう。みんな、星になったみたいです。
特別な夜は、朝日が昇るまで続きます。
今夜は、空も地もみんな揺れ動くほど勢いがあります。
今までで1番、賑やかで素敵な夜です🌠
その巨大な塊は、石ではなく、人だった。
いや、人だったのだが、いまや人ではなくなってしまったもの、なのだ。
その近くには、光に守られたあるものたちの世界がある。
∞∞∞∞∞
昔々、海が大好きで、深く深く潜ることが得意な男の子がいた。いつも海にいて、魚たちと泳いでいた。
ある日、男の子は小さな小さな人魚と出会った。手のひらくらい大きさのの可愛らしい人魚で、すぐに仲よくなった2人は、海の底まで潜ることにした。人魚の大切な仲間たちに会いに行くために。
人魚と共に海の底にたどり着いた男の子は、人魚たちの住む世界に驚いた。陸の上では見たこともない煌びやかな場所だったから。海の底は、まったく暗くなかった。色とりどりの光に包まれていた。
男の子は時間を忘れ、人魚たちと遊んだ。どのくらいそこで過ごしたのかは分からない。いつのまにか、自分身体が人の形をしていないことに気がついた時には、もう手遅れだった。
人魚たちに、悪気はない。
だって、人間が人魚たちの世界に入ったのは男の子が初めてだったから。
誰もみな、人魚たちの世界に入った人間がそうなってしまうことを知らなかったのだから。
…男の子は、目を瞑り静かに横たわった。
共に遊ぶことはもうできないけれど、側にいて、いつも人魚たちの住む世界を守るために、そこにいよう、と思った。そして、人間がここに迷い込まないように僕が壁になって守ろう、と思った。
その様子をみていた人魚たちは、ただただ祈り続けた。男の子の身体は、人魚たちの世界を隠すように大きくなっていった。
巨大な塊となった男の子は、いつまでもいつまでも人魚たちと人間たちを守るために、そこに在り続けるのだろう。
君に 会いたくて
ずっと 歩いてきたんだ
逃げたくなった こともあるし
やめたくなった こともあるよ
やっと ここまで来たんだよ
もうすぐ 君に逢える
未来の 君(僕)に