弟は、
大好きなものが目の前にくると、
たちまち色が変わる。
ホントに不思議だ。
色が変わるのに気づいてるのは、
姉である私だけ。
ちなみに、
どんな色に変わるかというと…
お母さんは、ピンク
お父さんは、みどり
おばあちゃんは、あか
おじいちゃんは、あおみどり
お兄ちゃんは、きいろ
そして
私が目の前にいくと、
なんと、にじいろに変わるのだ!
(なんか特別感があって嬉しい)
弟はまだ産まれて間もないし、きっと溢れる思いを身体全体で表してるんだろうなあ…
と、私は勝手に思っている。
私の大切な大切な弟は、
本当に見ていて飽きないのである。
初めてkissをしたのは、飼い猫だった。
名前は「トラ」といった。
トラ柄だったから母がそう呼び始め、家族みなに定着しのだが、いまおもえば相当ベタな名付け方だな、と思う。
トラは、いつも私の側にいた。
勉強するときも、寝るときも。お風呂に入っているときでさえ、風呂場のドアの横に丸くなって待っていたのだから、本当に私のことが好きだったんだな、としみじみする。もちろん、私もトラのことが大好きだった。
そんなトラも22年も生き、寝てばかりの毎日になったある夜、私はいつものように布団で本を読んでいた。
トラは、本のページをめくるたび、少しだけ耳を動かした。その様子が愛おしく、私はトラの背中を優しく撫でた。するとトラは、私の方に顔を向け、真っ直ぐ私の目を見つめてきたのだった。
しっかり目を開けたトラをみるのは久しぶりで、随分歳をとったというのに、キラキラした美しい瞳だった。
私はたまたま恋愛小説を読んでいたこともあり、見つめあうわたしたちは、なんだか恋人同士のようだな、と笑ってしまった。
私が目を瞑ると、まるでkissをするかのように、トラが鼻を私の唇にちょん、とつけてきた。その仕草が可愛くてたまらなくて、私はトラをぎゅっと抱きしめたのだった。
数日後、トラはこの世を去ってしまったが、あの日読んでいた恋愛小説はいまも本棚にあり、その背表紙をみるたび、大好きだったトラを思い出すのである。
ボクはいつまで生きるのだろう
みんな死んでいくけれど
どうやらボクは死なないらしい
うっかり口にしてしまった
この池の水は
どうやら不死の薬らしくて
それに気づいたのは
200歳をこえたあたりで
どうやらボクは死ねないらしい と
1000年先も
その先も
ずっとずっと
生き続けなくてはならないなんて
この池の水を
誰か飲んでくれないかな と
考えたりもしたけれど
ボクと同じ思いをするならば
この池なんてなくなってしまえ と
こころから おもうのだ
勿忘草のまわりには、小さな妖精が住んでいるんだ。普段は目に見えないけどね。
ボクは、1度だけ、その妖精たちと遊んだことがあるんだ。
あれは、3歳くらいだったな。
ぽかぽか陽気のあの日、ボクは家族でピクニックに行ったんだ。
勿忘草のたくさん咲いている場所で、お弁当を食べてお腹いっぱいになったボクたちは、みんなでそのままお昼寝をした。
1人だけ先に目が覚めてしまったボクは、耳もとで鈴が鳴っているのに気づいたんだよ。あたりをみまわしても、勿忘草が咲いているだけで、音がするものはなんにもなかったんだ。でもね、音はさらに大きくなってきて、目をこらしてよーく花のあたりを見てみたら、キラキラと何かが光ったんだ。小さな羽根をつけた可愛い妖精たちがいたんだよ。びっくりしたなあ。妖精たちも、ボクに姿を見られているのに気づいてびっくりしていたっけ。
不思議と家族はまだ眠っていたから、ボクはその妖精たちがあちらこちら飛び回るのを追いかけたんだ。楽しかったな。たくさん走ってクタクタになったころ、家族が目を覚まして、妖精たちは消えちゃった。
ボクは汗だくで、いま妖精たちと遊んでいたんだよ!と家族に話したけど、信じてもらえなかった。まあ、そりゃそうだよね、仕方ない。夢だったのかな?って思うときもあるんだけどね、あれはホントのことだった、ってボクは信じてるんだ。
それっきり、妖精たちを見ることはないんだけど、勿忘草がたくさん咲いているのを見ると、ついつい目をこらして妖精たちを探してしまうんだよ。
また、会いたいなあ。
前に揺れると、明るい世界。
後ろに揺れると、暗い世界。
ボクの乗るブランコは、
いつもそんな景色を見せてくれた。
晴れた気持ちのときは、後ろで降りる。
悲しい気持ちのときは、前で降りる。
乗るスピードは、
ゆっくりゆらゆら、と。
このブランコは、
ボクのバランスを保つための
大切な宝物だ。