勿忘草のまわりには、小さな妖精が住んでいるんだ。普段は目に見えないけどね。
ボクは、1度だけ、その妖精たちと遊んだことがあるんだ。
あれは、3歳くらいだったな。
ぽかぽか陽気のあの日、ボクは家族でピクニックに行ったんだ。
勿忘草のたくさん咲いている場所で、お弁当を食べてお腹いっぱいになったボクたちは、みんなでそのままお昼寝をした。
1人だけ先に目が覚めてしまったボクは、耳もとで鈴が鳴っているのに気づいたんだよ。あたりをみまわしても、勿忘草が咲いているだけで、音がするものはなんにもなかったんだ。でもね、音はさらに大きくなってきて、目をこらしてよーく花のあたりを見てみたら、キラキラと何かが光ったんだ。小さな羽根をつけた可愛い妖精たちがいたんだよ。びっくりしたなあ。妖精たちも、ボクに姿を見られているのに気づいてびっくりしていたっけ。
不思議と家族はまだ眠っていたから、ボクはその妖精たちがあちらこちら飛び回るのを追いかけたんだ。楽しかったな。たくさん走ってクタクタになったころ、家族が目を覚まして、妖精たちは消えちゃった。
ボクは汗だくで、いま妖精たちと遊んでいたんだよ!と家族に話したけど、信じてもらえなかった。まあ、そりゃそうだよね、仕方ない。夢だったのかな?って思うときもあるんだけどね、あれはホントのことだった、ってボクは信じてるんだ。
それっきり、妖精たちを見ることはないんだけど、勿忘草がたくさん咲いているのを見ると、ついつい目をこらして妖精たちを探してしまうんだよ。
また、会いたいなあ。
2/3/2026, 7:59:17 AM