ね。

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11/14/2025, 2:43:20 PM

今日は満月。
なかよしのお月さまとお星さまが、なにやらお話しています。


お星さまが言いました。
『ボクね、あれを食べてみたいの』
あれ、というのは、地上の子どもたちが食べている、わたあめです。よく知っている雲みたいな形なのに、子どもたちがあまりにも美味しそうにほおばるから、気になって仕方なかったんですって。



お月さまは、お星さまと約束していたのです。私が今度まんまるになったら、そのお星さまの願いを叶えてあげる、って。(お星さまは、生まれてから1度もお誕生日のお祝いをしたことがないそうです。だから、それを聞いたお月さまは、なにかささやかなプレゼントをしたくなったみたいですよ。)


『わたあめですね。分かりました、ちょっと待っててくださいね。』
お月さまは輝きを増し、一瞬消えたようにみえましたが、不思議なことにわたあめをお星さまの目の前に出してくれました。


『わあ~!!!』
お星さまの目がキラキラ。
パクッとほおばるお星さま。
甘いお味に身体全体もキラキラ。


その様子をみて、
お月さまもにっこり。


今日の満月が
いつもより明るくほんわかしているのは、こんなやりとりがあったからなのですよ。

11/14/2025, 1:46:29 AM

新しい朝がきた。
今夜も無事、祈りが終わった 

産まれてからずっとベッドで過ごす私が、唯一できることは『祈り』だ。真夜中になると目を瞑り、朝が来ることを願ってただただ祈る。毎晩毎晩。繰り返し繰り返し。




私の祈りは、どこに届いているのだろう。
私の祈りは、いつまで届くのだろう。


このまま祈り続けたら、
祈りの果てには何があるのだろう。
天国か地獄か。
それとも 《 無 》  か。



考えても分かるわけなく、
私は朝が来たのを確認し、今度は眠るために目を瞑る。





11/13/2025, 1:00:29 AM

夢をみた。
迷路をぐるぐる走っている夢。
出られなくて、泣きじゃくる私。
そこで 目が覚める。

次の日は、
迷路を大好きな彼と手を繋いで歩く夢。
幸せいっぱい。
目が覚めてがっかりした。


毎晩、迷路の夢をみつづけて、私はある法則に気づいた。その日の心の状態がそのまま夢になるらしい。そして、夢の登場人物はその日あったひとたち。イヤな出来事があった日は苦しい夢を。嬉しかった日は楽しい夢を。そんな感じ。



さて、今日も無事終了。
友だちと会えて嬉しかったなぁ。そういえば、あの子につい意地悪しちゃったのは、ちょっとやりすぎだったかも。まあ、大丈夫でしょ、明日謝れば。
…と、思いつつ、楽しい1日だったからきっとそんな夢が見られるだろう、とうとうとする。そのとき、耳もとで囁く声がした。




『私のこといじめたあの子、許さない』




私は、今日謝らなかったことを後悔しつつも深い眠りについた。

11/12/2025, 1:02:49 AM

「ご注文はミルクティーですね。では、あちらの棚からお好きなティーカップをお選びいただけますか?手にとって重さや手触りを味わってくださいね。お時間気にせず、ゆっくりお選びください。」


うちの喫茶店は、心が疲れてしまったお客さまが来る。なぜかは分からないが、そういう人しか来ない。ボクが生まれる前からそういうシステムで、今は店主になったボクがこの店を受け継ぎ、来店するお客さまたちの心の光を灯す役割をしている。



ミルクティーのお客さまは、棚の前に歩いて行ったものの、ただその場に立っているだけだった。しかもずっと下を向いたまま。ボクは声をかけず、黙って見守る。
…30分くらいたった頃、ゆっくり顔を上げたお客さまは目の前のティーカップをそっと手に取った。そして、カウンターにいるボクに差し出した。ボクはそのティーカップを大切に受け取り、
「ありがとうございます。では、お席でお待ちくださいね。」
と声をかける。お客さまが席に座ったのを見届け、丁寧にティーカップを洗う。ミルクティーの準備をし、ただただ“光”をおもい、ミルクティーを入れ、お客さまのテーブルに運ぶ。


たいていのお客さまは、こんな感じ。
ミルクティーのお客さまも、帰るころには身体全体からゆるやかな輝きを増したようになった。ほんのり笑顔になっているから不思議だ。


さて、今日はもう閉店の時間。一日の注文の最後はボク自身に。何を飲もうかな?ティーカップは、あれにしよう。右上のとびっきりお気に入りのやつに。

11/11/2025, 1:00:23 AM

あの子がいなくなってしまった朝、ボクは寂しくて、膝をかかえて泣いていた。涙がぽとり、と落ちた場所に、小さな小さな石があった。なんとなくその石を見つめていると、石がボクを見つめ返して、笑った。


その朝から、その小さな小さな石とボクはいつも一緒だった。寂しくなると右ポケットに手を入れ、石をそっとなでる。そうすると、とてもとても安心するのだった。



街では争いが続いていて、とうとうボクも戦いにいくことになった。幼い子どもも兵士になる、この世はなんて残酷なんだ。
あちらこちらで人々が倒れていき、周りにはなんにもない。ボクももう動くことができなかった。必死で右ポケットに手を入れる。石を取り出し、飲み込む。涙の味がしたが、もう寂しくはなかった。

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