谷間のクマ

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4/22/2025, 3:03:12 PM

《big love!》

余力があればかなり前の《cute》の続き書きたい!

2025.4.22 《big love!》

4/21/2025, 9:37:42 AM

《星明かり》

また後でかけたら書く!

2025.4.20《星明かり》

4/16/2025, 9:55:52 AM

《春恋》

 春は別れと出逢いの季節、とはよく言うものだが、それ以外にも春は恋の季節だとあたし、中川夏実はふと思う。あたしの少し先にはほんの数日前にめでたく付き合うことになった明里と蒼戒がいるのもあるかもしれない。
「しっかしよく頑張ったよねー、ハルも。恋のキューピット、大変だったでしょ?」
 あたしはあたしの右隣を歩いているハルに言う。
「いやー、その通りだな。すげーんだよあいつら。俺が何やっても全然甘い空気になんないし波瀾万丈どころか波瀾上等だっつーの」
「波瀾上等って……」
 左隣を歩いている紅野くんが呆れた様子で呟く。
「いやジョーダンじゃねーよ? あいつら本当に波瀾しか起きねーし『波瀾上等じゃコラァッ!』って声が聞こえてきそうだし……」
 げっそりと言うハルにあたしはとりあえずお疲れ……、と言っておく。
「そういえばハルってなんでキューピットやってるんです?」
 紅野くんがふと思い出したように尋ねる。
「なんでって言われてもなぁ……、あいつらには幸せになってもらいたいから、かな」
「わー、優しい人間の鏡だー……」
「ハルってこれで案外優しいんですよね……」
「おい紅野! これで案外ってなんだよ! 案外って!」
「だって見た目サッカー部のチャラ男ですよ、ハルは」
「確かに〜」
「酷いなオメーら!」
 ケラケラ笑って紅野くんに同意するあたし。ハルは怒ってるけど、ぶっちゃけ紅野くんの言う通りだしなぁ……。
「なつー、サイトーウ、紅野くーん、そんなにゆっくり歩いてたら置いてっちゃうよー!」
 道の先で、明里があたしたちを呼ぶ。そういえば今みんなで並木の空き地でバトミントンしに行くところなんだっけ。
「あ、今行くー!」
「というかお前らが歩くの早すぎんだよ」
「ごもっともです」
「黙れ春輝。お前たちが遅いだけだ」
「なんで俺だけ……」
「じゃあ明里たちのとこまで競走ねー!」
 あたしたちは桜の花びらが舞う桜並木を笑いながら駆け出した。
(終わり)

2025.4.15《春恋》
あんまり恋物語っぽくないな……

4/15/2025, 9:43:51 AM

《未来図》

「《未来図》、ですか……」
「何々どしたのー? 紅野くん」
 とある日の国語の授業のあと。僕、紅野龍希が作文のお題に頭を悩ませていると、たまたま通りかかった夏実さんが興味津々に声をかけてきた。
「あ、いえ、作文のお題が《未来図》なんですよね……」
「あー、あの選考基準謎の作文ねー。紅野くんは《未来図》だったわけか」
「そうです。夏実さんは?」
「あたしは《ヒーロー》。もう書けたよー」
「早いですねー。ちなみに何書いたんです?」
「昔好きだったヒーローアニメの話」
「自由ですね……。《未来図》って何書けば……?」
「さあ……。もうテキトーでいいんじゃないの? ハルなんて《謎》で心霊現象について書いてたよ」
「何やってんですかあいつは……」
「ハルいわく、『心霊現象も謎のうちだろ!』だってさ」
「ハルらしいと言えばハルらしい……。それじゃあ僕は《未来図》で理想の未来でも書いときますかね」
「将来計画図みたいな?」
「いえ、車で空を飛んでみたいなー、とかそんな感じの」
「ああ、よくアニメとかで見る感じの」
「そうです。いいですよねー、夢があって」
「そだねー」
 とそこまで話したところで『キーンコーンカーンコーン』とチャイムが鳴った。
「あっ、もうこんな時間! じゃあね紅野くん!」
 夏実さんはそう言って慌ただしく自分の席に戻っていく。
 僕は一度作文の紙をしまって、次の授業の教科書を出した。
(終わり)

2025.4.14《未来図》

4/13/2025, 5:16:35 PM

《ひとひら》

 桜の花が、散っている。それはまるで、雪のように。
「そっかー、もうそんな時期なのねぇ」
 どこからともなく飛んできた、ひとひらの桜の花びらを見て私、熊山明里は呟く。
 桜の花の寿命は短く、咲いたと思ったらすぐに散ってしまうのだ。並木町の桜も例に漏れず、早咲きの桜はほとんど散ってしまっている。
「この花びらも、きっとどこかの早咲きの桜のものなんでしょうね」
 この辺りには桜はないから、かなり遠くから飛んできたものだと思う。例えば学校のソメイヨシノとか。
「あ、明里、お前髪に桜が……」
 並木の桜もそろそろ咲くかしらー、などと思いながらのんびり歩いていると、後ろからそう声をかけられた。
「え、ああ、蒼戒」
 声をかけてきたのは蒼戒。私と同じく下校中のようだ。
「ああじゃなくて、桜がついてる」
「取ってよー」
「わかったわかった」
 蒼戒はそう言ってそっと私の髪に触れる。
「はい、取れたぞ」
 蒼戒が取ってくれた桜の花びらはそのまま風に乗って飛んでいく。
「ありがと。ところであんたの肩にも桜が乗ってるわよ?」
「え、ああ本当だ。さっき学校の桜が散っていたからそこでついたんだろう」
「でしょうね。見事な花吹雪だったし」
「ああ。今日は風が強いから余計にな」
 また、ひらひらとどこからかひとひらの桜の花びらが飛んできた。
 桜の時期ももう終わりねぇ、と思いながら私は蒼戒と歩き出した。
(終わり)

2025.4.13《ひとひら》

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