夏は全体的に彩度が上がる気がする。
晴れている日が、ではあるが。
青い空、白い雲、青々しい木々。
全てがパリッと色鮮やかに見える。
晴れた日が、ではあるが。
日差しはサンサンと、近頃はギラギラという方が正しいか。猛暑の中でみる青空は体感気温はどうであれ、
気持ちの良いものだ。
スカッと、気持ちも晴れやかになる気がする。
だが残念なことに、視覚的にはパリッと爽やかなのに、湿気がまとわりつくジメッとなんの。
汗をかくと更に際立つベタベタ感。
視覚的な情報と感覚が両極端である。
ふと思う、冬も極端だなと。
冬の風景はなんだがぼんやりというか、どこか掠れて見える、気持ち的に。でも気温は低く、乾燥しており感覚的には鋭い。
色んな面で極端だなぁ。
天国と地獄ときくと、死後の世界のことをまずは思い浮かべるが、カジュアルな考え方をすると、日常の中にも潜んでいるものだと私は思っている。
例えば、私の最近の体験談でこんなものがある。
私はあまり酒は強くは無いのだが、ふと呑みたい気分になり、大好きな刺身共に日本酒で晩酌していた。
呑んでいる最中は、美味い酒と美味いあてと少しの酔いからか、天国にいる気持ちであったが、飲むのは久々だったことは、ほろ酔いになり気が大きくなっていたこともあり、ついつい飲みすぎた。
その結果、ヘロヘロになってしまったのである。
私は理性は保っているタイプであり、非常に気分が悪くなり、最終的には少しお目汚しだがトイレのお世話になってしまったのだが、正に天国と地獄であった。
皆さん、飲み過ぎには気をつけましょう。
時計を見ると、午後3時。
昼食を終え、ウトウトとしてきた頭を微睡むままに意識を手放し、昼寝に興じていた私は目を覚ました。
私は基本的に、テレビはつけない主義である。
部屋の中から発する音は、私以内には存在しない。
だが少し開いた窓からは、ザーザーと雨音が聞こえる。
覚醒した私の意識の殆どををしめるのではないか、と思わしめるほどの音だ。外を見ると轟々と大粒の雨が降り注いでいた。
そろそろ梅雨の時期か、と寝起きの頭でぼんやりと思う。
強い雨音ではあるが、自然から発せられる音というものは、聞いていて気持ちの良いものだな、と思い、なお続くその音に耳を傾ける。
ザーザー、ボトボト、ザーザー
ダダダダ、、、
雨音といっても様々だな、と思う。
普通に地面に雨が打ち付ける音、屋根から伝った雫がボトボトと倉庫といったトタンや金属の上に落ちる音、道端の溝のかさが増し、勢いよく流れる音など。
多種多様だな、と新たな発見をしたように
少し心が踊った。
梅雨入り、湿気ており、暑いのか、寒いのか、よく分からない、どっちつかずの日ではあるが、たまにはこういう日も悪くないと思う、午後3時であった。
明るく、透ける。透明。
透明と聞いて、思い起こすものといえば
ガラス、シャボン玉、レンズなど。
全て明かりが透けてくるもの達ばかりだ。
そして明かりがあるといっとう
輝くもの達ではないかとも思う。
私もそんな透明なモノを持ってみたい。
午前2時、少しばかりの残業を終え
夜勤業務を終えた私は、車で帰路に着く。
初夏とはいえ、まだまだ夜は肌寒い。
国道を車で走る。毎日通り慣れた道ではあるが、真夜中ともなると、少しばかり見える風景も違うものだ。
いつもより少ない自動車、赤や黄色の点滅信号、
意外と車が停まっているラーメン屋。
中には強気になった違反車だっている。
片道1時間、深夜の上、労働の後には少々堪える距離ではあるが、私は意外と、この通勤道が嫌いではない。
深夜に働いていると、どうにも疎外感が生まれてしまう。この世界に自分だけなのかと、別に1人は嫌いではなく、寧ろ好きな方なのだが、労働後の疲労か、肌寒い気温のせいか、心寂しくなってしまうのだ。
だが、深夜の通勤道はいつもと光景や雰囲気は違えど、人の生活が垣間見え、疎外感を多少薄れてさせてくれる。こんな時間にあの店にいる人は、私と同じように仕事帰りなのだろうか、私を追い越していった車は、もう帰宅するのか、それともこれから出かけるのか。
そんな顔も知らない人達のことを想像し、
勝手に親近感を寄せている。
そんな深夜2時が私は中々に好きである、