NoName

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7/16/2024, 8:33:22 AM

終わりにしよう

「終わりにしよう」
彼女はそう言って笑った。

なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。彼女の背後に地面はなく、僕は彼女に銃を向けている。

「なんで、君が泣いてるのさ」
滲む視界で彼女の姿を捉えながら、一歩、彼女へと近づく。
彼女は下がることなく、むしろ一歩近づいてきた。

「私、転落死なんて嫌よ」
一歩、また一歩と彼女は近づいてくる。僕は後ずさることも出来ずにいた。

「ほら、あとは引き金を引くだけ。君ならできるよね?」

彼女の咲かせた花は、これまで見たどの花よりも綺麗で、凛々しかった。

3/18/2024, 9:40:10 AM

泣かないよ

たとえ、1人だけ入賞できなくても。

たとえ、好きだった人が死んだとしても。

たとえ、明日生きているかすら分からない状態になったとしても。

だって泣いたら潰れるから。

いやでも認識してしまうから。

それならば泣かない。悲しくなどない、涙などでない。

そうして蓋をして、静かに少女は落ちてった。

2/19/2024, 10:48:06 PM

枯葉

パキパキと枯葉を割りながら、箒で枯れ葉を吐く。

吐いた枯葉をまた割って、枯葉の残骸積み上げた。

吐いて、掃いて、履いて

掃除にはならなかったけれど、楽しかったのでヨシ

2/18/2024, 9:56:02 PM

今日にさようなら

落ちていく日と、去っていく友人の背を眺めながら月を待つ。

この静かな時間が、終わりを感じるこの時が、一日の中で一番好きな時間だったりする。

たとえ作り物であろうとも、日も月も美しい。

たとえ機械であろうとも、友人がいるのは嬉しい。

もう終わった世界で、次の日が来るのを待つ。

今日にさようなら、明日におはよう告げるため、僕は今日も生き続ける。

2/17/2024, 11:09:45 AM

お気に入り

お気に入りのものはずっとずっと大切にしておきたいけれど、大切にすればするほど壊れてしまう。

私には長持ちする使い方を知らないし、大切だと思う気持ちも本当は分かっているかどうかさえ怪しい。

私のお気に入りは、もしかしたら私に大切にされていないのかもしれない。

それでも、それでも私は、大切にしているつもりなのだ。

だから今日も、私は私のお気に入りを壊すのだ。

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