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仲間

ざあざあと降り続く雨の中、野良猫が僕の前でにゃあと鳴いた。撫でてやろうと手を伸ばすとふぎゃっと鳴いて去ってしまった。

さて、どうしたものかと悩んでいると、可憐な少女が話しかけてきた。
「あの、何をしているのですか」
何をって、雨宿りだけど。こんな雨じゃあ、しばらく動けそうにない。
「そうですか。いえ、なんでもないんです失礼しました」
少女は激しく降り続ける雨の中、去っていった。

ざあざあ。ざあざぁ。

そういえば、仲間たちはどこへ行ったのだろうか?もう随分とたった気がする。まぁ、いい。よくある事だったろう。

ざあざあ。ざあざあ。

僕は誰を、待っているんだっけ?誰か大切な人を、ここで待ち続けてる気がするんだけど、どうにも思い出せない。この雨が止む頃には、思い出せるだろうか。

ざあざあ。ざあざあ。

なんだか、眠たくなってきた。

ざあざあ。ざあざあ。

もう、待たなくても、いいだろうか。

ざあざあ。ざあざあ。

………。

ざあざあ。ざあざあ。……ざあざあ。ざあざあ。

12/10/2024, 10:11:28 AM