菜な子

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5/4/2023, 1:47:14 PM

風がザワザワと
小鳥がピチピチと
小川はさらさらと
草はわさわさと
揺れて、踊って、歌っている。
だけれどそれは煩くない。

寧ろ私の心を落ち着ける。
誰にも邪魔されない、
私一人のまるで空間じゃないかのような空間。
薄目でぽぅっと空を眺めていたら、
涙がほろりと零れてきた。

この空間を
邪魔して欲しい人が、ここにいない。
いつものように眠っていたら
ゆさゆさ揺らして起こして欲しい。
前はそれが煩わしくて堪らなかったけれど、
今はそれが恋しくて堪らない。

お願いだから、帰ってきて。
風も子鳥も小川も草も、もちろん私も
貴方を拒まないから。






「大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?」

5/4/2023, 4:56:09 AM

ありがとうじゃ足りないくらい、
あなたには沢山のものを貰った。
初めての胸の高鳴りも
初めての不安も
初めての恋という自覚も
初めての人のためのチョコレートも
初めてのキスも
初めての真っ白なドレスも
渡したもの全てを
愛で包んで何倍にもして返してくれた。
私はあなたに、何でそれらを返せばいい?
返したところでまた愛に変換してくれるでしょう?






「「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い出して何か言葉を綴ってみて」

4/30/2023, 10:51:41 AM

雲が、薄く積もった雪のように足元に広がっている。

その隙間から微かに小さく街が見える。

見上げなくとも雲ひとつない青い空が
私の目にうつる。

私は雲より上に立っている。

足元の雲には小さくとも鮮やかな花々が咲いている。

足を動かす。土を踏む感覚がしない。

全身が軽い。どこまでだって飛んで行けそうだ。

でも、どこにも行きたくない。
ただここでのんびりと、順番が来るまで過ごしたい。

そうか、ここが楽園か。

ゆっくり雲に腰をおろし、
眩しく輝く太陽に目を細めながら、
私が主人公だと言わんばかりに両手を広げた。




「楽園」

4/29/2023, 10:21:57 AM

風に乗って会いに行く
未だ見た事ない君へ。

皆と別れて風の向くまま
誰か分からぬ君のもと。

悲しい、
泣きたい、
後ろ向き。

そんなとき。

君の足元に黄色い花を咲かすかだろう。

待っていて。

今行く。
もう着く。
大丈夫。

下を向いた、
涙を落とす、

そんなとき。

いくら小さくてもはっとするような
黄色い花を。
君の潤んだ瞳に送るだろう。








「風に乗って」

4/28/2023, 10:37:56 AM

まばたきの間にあいつは
俺の額に優しいキスを落として羽ばたいていった。







「刹那」

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