ある古い書物の一節にて。
その道の先になにがあるのか。家の近くの森には大きな空洞がある。もちろん木々に囲まれた小さな空洞だ。この道の先になにがあるのかと、私は小さい頃から考えている。
だが、怖くて入れない。恐ろしい事が起きるのかもしれない。
15歳になったある日、なにを思ったのか私はその道に入った。
這いつくばりながら入る。普通は木々が邪魔をしてくるが、この道はなぜか邪魔がない。すんなり通れた。
通り抜けると、そこは夜の世界だった。大きな木に大きなダンデライオン。
ここはどこなのだろうか? 探す中、この世界には秘境が存在していた。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー
ある古い書物の一節にて。
入道雲の上には巨人が住むという言い伝えがある。
それは黒いダイダラボッチのような黒い巨人だ。
その巨人は悪さはしない。たまに風を起こしたり、入道雲からひょっこりと顔を出して下の世界をみたりする。人を助けることもある。
昔は神として崇められた。最近では驚かされて、怖がられる存在となってしまった。
この巨人は見た目とは裏腹に、心の優しい巨人なのだ。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー
ある古い書物の一節にて。
青年はある伝説の島に向かった。夏のこと。
その青年は生物研究家だ。その島は全ての動物、植物、魚、虫が行き交う場所。
冒険家たちはその島を目指し、向かうのだがたどり着いたものはいない。
その青年は何年も時を経て、着くことができた。ゆうに15年かかった。
その島はみると、すべての生物が存在していた。なぜ、こんなにも美しく、多くの生物が生きるのか。
その青年はこの島に住み、研究を続けた。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー
ある古い書物の一節、植物欄にて。
ボレロ島、この島には楽器ピッコロの形をした花が存在する。その花は透明で光をも通すほど透き通った透明さだ。
花の名前はクリアネス・フラワー。またの名をピッコロフラワーとも呼ばれる。
この島の人々はこの花を使いピッコロを吹いて、演奏する技術を持っている。
他の人が触るとボロボロと崩れてしまう繊細な花として有名だ。
この花を吹けるのは、ボレロ島の人々かフルートの精霊、そしてピッコロフラワーが認めた人だけなのだ。
ピッコロフラワーには魂が宿る。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー
ある古い書物の一節、あの続きにて。
あの森の精霊を見てから1年後。
私の名前はアンジェロ・アルファーノ。レーシーを見てからというもの、未だに信じ難い。だが、みたものを絵に描いた。
私は元々画家だ。絵は描ける。
その絵を妻や友人、木こりの請負の方などに話してみるが、やはり信じてくれる人は居なかった。
ただ、1人この絵をみてレーシーに興味を持った画商が居た。
その名はソラヤ・マクレアンと名乗った。画商はその絵に価値をつけた。この人は私の絵を買ったのだ。ソラヤは言った「きみはレーシーを追い続けろ、絵を描け、きみの夢の為に」。
私は長年画家をしていたが、才能なく、挫折していた。だが、この1件で、私は画家になることができたのだ。
これが、あの精霊を見てから1年後の世界。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー