ある古い書物の一節にて。
現代よりさらに古代の時代、「風の民」が居た。現代では伝説と語られている民族。風を操り、自然と一体化する。時には風が凶器にもなる。特徴的なのは、深緑色のチロルハットを被っていること。
そして、小柄でよく小人と間違われるほどだ。
その「風の民」はどこかふわふわと風に乗って、然るべき人の道標を示し、その人の前に現れる幻の民。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー
ある古い書物の一節にて。
その国には古代兵器がある「アトロポス」がある。
赤色の戦士と青色の戦士は大の仲良し。
その国は平和を提唱する。
だが、赤色の戦士は戦いが好きで平和を好まない。逆に青色の戦士は平和を望んだ。
ある日、国を変えようと「アトロポス」を使い、国を1つ滅亡させようとした。この兵器はミサイルのようなもの。使い方は銃と一緒で引き金を引けばいいだけ。
赤色の戦士は監視塔に上り、自分の国を「アトロポス」で撃とうとした瞬間、青色の戦士は止めに入ろうとしたが、すでに遅く。その赤色の戦士は死んでしまった。
この兵器はある魔法を使わないと「アトロポス」が敵と判断し、暴発するように設計されている。赤色の戦士はそれを知らなかった。
刹那の如く、止める時間もなかった。青色の戦士は悲しんだ。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー
ある古い書物の一節にて。
そのむかし、少女は涙を流した。悲しいことがあったのか、嬉しいことがあったのか、どんな涙なのか少女にしかわからない。1つ言えるのは優しい涙だということ。
この日は「涙の日」。少女はこの日からこの世界の女神となった。
だが、代償もある。愛した人との別れ。彼女は1つの命を宿す。
その命を「自分の生きる意味」として、自分の努めを果たした。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー
善悪、悪い人と善い人。
今回は古い書物からではなく、経験談としてのお話です。
あるシェアハウスにやってきた少年。
ここには数人住んでます。初日はふた周り上のAさんはよく話してくれて、気さくで、優しい方だった。
だが、その数日後少年はある日、リビングでスマホを触っているとふた周りも年上のその男性から怒られた。
理由はトイレやお風呂を汚したから。少年はその身に覚えはない。汚した記憶はない。
急に血相を変えて、殴りかかられてもおかしくない状態。
少年は冷静に話すが、向こうは喧嘩腰に「もうでていけ」、「もう汚すな」などと言ってきた。
少年は「今後の生活もあるので考えます」と答えた。Aさんは「喧嘩売ってんのか?」。
少年は「売ってないです」。
この1件からAさんは姿を現すことが少なくなった。
その数日後に、Aさんは急にシェアハウスから居なくなった。
何も言わず。
元々、クレームは数人から来ていたそうだ。
少年はそのAさんのことは何も思っていない、尊敬できる所もある、そう思っていたし仲良くもしたかったのに…… 。
そのAさんの中には善い人(心)と悪い人(心)が居るようだ。
ある書物の一節にて。
少年は流れ星に願いをした。願いは「父のヨランドの難病が治りますように」。
誰もいない真っ暗な丘の上で座り込む少年。瞳を閉じてそっと強く願いを込める。
涙を流しながら少年は願いを語る。この流れ星は4年に1度にしか現れない流れ星。
伝説にある流れ星で「ルリ型をした、まるで妖艶をおびた流れ星」。
少年はこの伝説を信じた。
もしかしたら父の難病が治るかもしれない。
その禍々しく妖艶に満ちた流れ星が現れる。
少年は幾度も願いする。
一瞬で消えてしまった。少年は哀しみながら家に帰ると、治ることのない病気が治っていた。
この伝説は偽りか真か。
ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー