Kohr

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ある書物の一節にて。

少年は流れ星に願いをした。願いは「父のヨランドの難病が治りますように」。

誰もいない真っ暗な丘の上で座り込む少年。瞳を閉じてそっと強く願いを込める。

涙を流しながら少年は願いを語る。この流れ星は4年に1度にしか現れない流れ星。
伝説にある流れ星で「ルリ型をした、まるで妖艶をおびた流れ星」。

少年はこの伝説を信じた。

もしかしたら父の難病が治るかもしれない。

その禍々しく妖艶に満ちた流れ星が現れる。
少年は幾度も願いする。

一瞬で消えてしまった。少年は哀しみながら家に帰ると、治ることのない病気が治っていた。

この伝説は偽りか真か。


ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー

4/26/2023, 4:13:10 AM