初めて挑戦することなら、上手くいかなくたっていい。
むしろそれは当然のこと。
初めから上手くできる人なんて、殆どいないのだから。
失敗を恐れず、何度だって挑戦することが上達への近道だ。
皆から可愛がられて大事にされる様を「蝶よ花よ」なんて表現するけれど、蝶も花も、全部が全部綺麗な訳じゃない。
華やかで優雅なものばかりが持て囃されている言葉。
でも実際には小さくて控え目、少し地味にも思えるようなものもある。却って派手で毒々しくさえ感じられるようなものもある。
人間だって同じ。だって、この表現も人間が考えたのだから。
様々な人間がいて、その中で綺麗な人が皆の目を惹く。
それでも、誰もが必死に生きていることに変わりはないんだよ。
だからそんな言葉に縛られないで。
劣等感に苛まれる必要なんてないんだ。
本当はずっとわかっていたんだ。
君と一緒に生きられないことも、君の友達で居続けられないことも、全部。
君に出逢う前から、いや、俺が化け物になってしまったと気付いたときからずっと知っていた。
実は、この別れは最初から決まってたんだよ。
俺達が初めて出逢ったときからさ。
君が悪いわけじゃないんだ。
だからお願いだ、そんなに悲しまないでくれよ。
俺のことは別れを惜しむ様も見せない、冷酷な男だと思ってくれていいから。
(君との別れがこんなにも惜しいと思えてしまうなんて、想像もつかなかったんだ)
(それがわかっていたなら、いっそ出逢わないでいたかった)
(君にはあんな風に言ったけど、俺だって辛いよ)
(何で俺は化け物になってしまったんだろう)
(何で俺は、君の隣で一緒に生きられないんだよ・・・!!)
ずっと君を探していた。
かつて僕に手を差し伸べてくれた、太陽のように明るくて優しい人。
僕にはあまりにも眩しすぎるように思えて、傍に居たいのにそれが少し苦しかった。
だから、君から離れることを選んだ。
それでも君の笑顔は僕の脳裏に焼き付いて消えてくれなかった。君を忘れられなかった。
君のような人になりたいと足掻いて、悩んで、振る舞った。
そんなある日、君に再会した。
君の笑顔は昔のままで、相変わらず、僕にとっては太陽のようだと感じた。
君の笑顔が見られないのが嫌で、かつて君が僕にしてくれたようにしたいと思ったんだ。
君は覚えていないかもしれないけれど、僕は君に救われたんだ。
だから、僕は君にその恩返しをしたいと思ったんだよ。
でも、それでも、やっぱり僕は君のようにはなれなかった。
かつて君は僕を笑顔にしてくれたのに、僕は君を笑顔にはしてあげられなかった。
そうして僕はまた、君から離れることを選んだ。選んでしまった。
ごめんね。やっぱり僕は、太陽《きみ》のようにはなれないよ。
さようなら。どうか、お元気で。
響き渡る鐘の音。
それは平和を願う声、平和への祈り。
今、世界中に響かせたい音。
罪を繰り返さぬよう、永遠に語り継ぐべきことがある。
さあ、今こそ手を取り合う時。
平和の鐘を打ち鳴らせ!
原題:合唱曲『HEIWAの鐘』
2022.8.6 広島への原爆投下に対する追悼の意を込めて