二面性

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5/2/2025, 6:17:31 PM

甘いものは食べられないと言った。

君の食べるものは全て甘い香りがしてくる。

酷いかもと思って直ぐに謝った。

でも君は受け入れてくれた。

今日は特別な日。

いつもは食べるのを眺めるだけだった砂糖菓子。

肉食なんだと拒んだチョコレート。

淡々と食べていると君は嬉しそうに見つめてくる。

甘くて美味しくてしょっぱい。

最後の晩餐かなって考えた。

[sweet memories]

5/1/2025, 10:30:46 AM

風が過ぎていった。

真正面から突っ込んで行った。

何も無かったかのように弾けた。

飛ばされた解答用紙。

彼方へ羽ばたいて見えなくなった。

それは一瞬だった。

笑えてきて、腹を抱えた。

清々しい程の不幸に喜んだ。

[風と]

4/30/2025, 10:55:24 AM

泥だらけの中君は僕を見つけた。

酷く震えていた君は僕を抱いて走ってた。



次に目が覚めたのは直してくれるところ。

君は嬉しそうに微笑んでいた。



君はいつも僕のそばに居てくれた。



少しだけ振り返ってみる。

君と沢山歩いた跡が連なっている。

もう既に分かっていた。

君と僕は違うって。

君の欠片を集めて抱き締めたい。



君と歩いた道は輝いていた。

永遠に続く無の中僕は君の想いと共に回っていく。

[軌跡]

4/29/2025, 10:55:11 AM

始まりはちょっとしたきっかけだった。

からかうように接したり、

友達として仲良くしていた。

他の子達がお似合いだって言ってきた。

目が合うと笑う。

でも胸の高鳴りなんてなかった。

感情が空っぽになってきて、

冷たい僕の指が触れる前に居なくなる。

君は前を見据えて駆けていく。

少し寂しいと思った。

少し苛立ちを覚えた。

でも何も感じない。

そう言い聞かせたかった。

[好きになれない、嫌いになれない]

4/28/2025, 10:44:48 AM

夕暮れ夕焼け朝のよう。

黒い影が上空を飛び回る。

逢魔が時の闇が追いかける。

やっと醒めた現実に、

おかえりと微笑み頬をなぞる。



深夜零時帯の光の中。

蛍光灯に照らされ独りきり。

ゆっくり顔を上げ星を見る。

ゆっくり目を閉じ夢を見る。



飛び込んだ光が瞬いた。

見開いたその隙間から、

見るのも嫌になるくらいの光が突き刺さる。

遥か彼方の恒星は高く笑った。

[夜が明けた]

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